2010 Fiscal Year Annual Research Report
イネMITE・mPingの転移機構の解明と高効率トランスポゾンタギング系の開発
Project/Area Number |
21380004
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
築山 拓司 京都大学, 農学研究科, 助教 (00423004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥本 裕 京都大学, 農学研究科, 准教授 (90152438)
寺石 政義 京都大学, 農学研究科, 助教 (80378819)
谷坂 隆俊 京都大学, 農学研究科, 名誉教授 (80026591)
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Keywords | イネ / トランスポゾン / MITE / 転移機構 / QTL / ゲノム進化 |
Research Abstract |
イネトランスポゾンmPingを用いた高効率トランスポゾンタギング法の開発には、mPingの転移・増幅機構を明らかにする必要がある。本年度は、まず、銀坊主が有するmPingの転移抑制を解除する遺伝因子を明らかにするため、日本晴×銀坊主の交雑F8個体別F9系統96系統を用いて各系統のmPing転移頻度に関するQTL解析を実施した。その結果、第1、2、5、7および9染色体上から計5個のQTL(qTmP1-5)が得られた。これらのうち、効果の大きいqTmP1およびqTmP5は、それぞれ銀坊主が有するPing-1およびPing-6の近傍に座乗したことから、mPing転移にmPing-1およびPing-6が大きく貢献していると考えられた。次いで、銀坊主特異的なmPing挿入に基づいて設計したmPing-SCARマーカーを用いて銀坊主におけるmPingの切り出し頻度を挿入部位ごとに調査したところ、遺伝子内のmPingは切り出されやすく、遺伝子から離れるほど切り出し頻度が低下することが明らかとなった。DNAメチル化がmPingの転移におよぼす効果を明らかにするために、バイサルファイトシーケンス法によって、mPing内部および近傍配列のメチル化程度を解析した。その結果、切り出し頻度の低い挿入部位ではmPing内部および近傍配列のマイナス鎖が高度にメチル化されていることが明らかとなった。ユビキチン様タンパク質RURM1の機能喪失によるmPing転移活性化の機構を明らかにするために、酵母ツーハイブリッド法を用いてRURM1の標的タンパク質の同定を試みたが、相互作用するタンパク質は得られなかった。そこで、RURM1の細胞機能を解析するために、大腸菌組換えタンパク質発現系を用いてRURM1タンパク質の精製系を確立した。その結果、RURM1の免疫染色に必要なRURM1抗体の作成が可能となった。
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