2010 Fiscal Year Annual Research Report
クリにおけるゲノム研究基盤の構築と選抜マーカーの開発
Project/Area Number |
21380020
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
井上 栄一 茨城大学, 農学部, 准教授 (90292482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安西 弘行 茨城大学, 遺伝子実験施設, 教授 (20323214)
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Keywords | クリ / ゲノム / SSR / マイクロサテライト / 種間雑種 / AFLP / QTL解析 / 連鎖地図 |
Research Abstract |
本研究課題はクリにおけるゲノムレベルの基礎的知見の獲得とゲノム研究基盤の整備を目指している.本年度は,前年度までに育成したニホングリとモーパングリの種間雑種を用いて,遺伝学的連鎖地図を構築しQTLの検出を試みた. ニホングリ'石鎚'とクリ野生種モーパングリの種間雑種からなるF_1分離集団において,20座のSSRマーカーと618座のAFLPマーカーを用いて,ダブルシュードテストクロス法(LOD=5.0)によりニホングリ'石鎚'とモーパングリの遺伝学的連鎖地図を構築した.'石鎚'では139座のマーカー(7 SSRおよび132 AFLP)が座乗し,2つのマイナーな連鎖群を含む合計13の連鎖群からなる全長629cMの連鎖地図が構築された.一方,モーパングリでは133座のマーカー(10 SSRおよび123 AFLP)が座乗し,3つのマイナーな連鎖群を含む合計13の連鎖群からなる764cMの地図が構築された.さらに,昨年度および本年度に種間F_1分離集団における種々の量的形質を数値化し,その表現型値に基づいてQTL解析を行った(LOD≧3.0).その結果,ニホングリ'石鎚'において果実重に関する1つの寄与率の大きいQTLが検出された.一方,モーパングリにおいては樹高,葉面積,葉脈数,果実重,花粉稔性,萌芽期に関する寄与率の大きい8つのQTLが検出された.そのうち,2009年および2010年の樹高,2010年の萌芽期,葉脈数および葉面積の5つのQTLが連鎖群M-12のほぼ同じ位置に検出された. 以上,本年度は,ニホングリおよびモーパングリにおいてマーカー連鎖地図を構築し,分離のみられた量的形質において,これらのクリ種ではこれまでに報告の無いQTL解析を行い,寄与率の大きな9つのQTLの検出に成功した.
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Research Products
(4 results)