2011 Fiscal Year Annual Research Report
クリにおけるゲノム研究基盤の構築と選抜マーカーの開発
Project/Area Number |
21380020
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
井上 栄一 茨城大学, 農学部, 准教授 (90292482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安西 弘行 茨城大学, 遺伝子実験施設, 教授 (20323214)
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Keywords | クリ / ゲノム / SSR / マイクロサテライト / 種間雑種 / AP1 / QTL解析 / 連鎖地図 |
Research Abstract |
本研究課題はクリにおけるゲノムレベルの基礎的知見の獲得とゲノム研究基盤の整備を目指している.昨年度までにニホングリとモーパングリの種間雑種を育成し,同集団を用いて遺伝学的連鎖地図を構築し,諸形質のQTLの検出に成功した.本年度は,経年変化を確認するため,再び同様の形質についてQTL解析を行うと同時に,重要形質である渋皮剥皮性についてもQTL解析を試みた.また,本年度より選抜マーカー作製の準備段階として,クリにおける花成関連遺伝子のクローニングと機能解析に着手した.さらに,学内予算の支援により研究プロジェクトのホームページを構築した. ニホングリ '石鎚' とクリ野生種モーパングリの種間雑種を用いて構築した連鎖地図を用いて,種間F_1分離集団における種々の量的形質を数値化し,その表現型値に基づいてQTL解析を行った(LOD≧3.0).その結果,昨年度に続いて,果実重,樹高および萌芽期に関するQTLが本年度も検出された.さらにHOP法を用いて数値化した渋皮剥皮性についてもQTL座の検出に成功した.また,クリにおける花成関連遺伝子のクローニングを試みた結果,AP1遺伝子ホモログの部分配列の取得に成功した.そして,種間分離集団およびその親品種における同遺伝子の発現解析を行い,花成への関与を示唆する結果を得た.さらに,本研究プロジェクトのホームページを作製し,研究内容を公表するとともに,クリ遺伝子型データベースを構築した.来年度以降に一般公開する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の結果,クリにおけるゲノム研究基盤が,計画通り着実に整ってきている.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度に関しては,クリにおけるゲノム研究基盤の整備をさらにスピードアップするため,高速シーケンサーでのゲノム解析手法を取り入れて効率化を図っていく予定である.さらに,科研費公募課題であるゲノム支援にも本年度に引続き応募していく予定である.
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