2010 Fiscal Year Annual Research Report
超高収量トマト生産のための栽培プラットホームの確立に関する研究
Project/Area Number |
21380021
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
丸尾 達 千葉大学, 大学院・園芸学研究科, 准教授 (20143266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠原 温 千葉大学, 大学院・園芸学研究科, 教授 (30015903)
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Keywords | 施設栽培 / 養液栽培 / トマト / 高収量 / 低段密植 / 量的管理 / 補光 / 移動ベンチ |
Research Abstract |
平成22年度は、(1)トマト1段密植栽培での異なる生育ステージにおける補光処理が果実の収量と品質に及ぼす影響(2)光環境の測定による移動式1段栽培における好適ベッド間隔の検討(3)移動式1段栽培での使用を想定した灌水システムの開発(4)給液量と培地量の違いがトマト3段栽培の収量・生育と果実品質に及ぼす影響について試験を行なった。 (1)補光期間を栽培期間の10%程度の1週間と限定した場合、収量は、開花後3~4週間から行うのが良いと考えられた。また、果実品質(糖度・アスコルビン酸)についても同時期に補光した際に高くなる傾向が見られた。さらに着果位置より下位の葉の重要性がトレーサー試験により確認され、下方から補講するシステムの可能性が示唆された。 (2)地上部新鮮重・乾物重および乾物率は、遮蔽率による影響は見られなかった。一方,葉面積は遮蔽率25%で最大となり,遮蔽率が高くなるにつれて有意に小さくなった。 収量は、1果実重当たりの新鮮重には遮蔽率による有意な差は見られなかったが、株当たり収量は遮蔽率75%で有意に減少した。 収穫時の栽培ベッド間隔は、遮蔽率25、50および75%のとき95、70および55cmとなった。また、収穫時における10a当たりの栽植密度は10,526、14,285および18,182株であった。また、株あたりの果実収量は遮蔽率75%区(収穫時のベンチ間隔55cm)で、50%区(収穫時のベンチ間隔70cm)および25%区に比べて有意に減少し、ベンチ間隔は遮蔽率50%を与えるような間隔が好適であると総合的に推察された (3)アルミ製のチャンネルとアングル、アクリル製の給水紐を用いてポット単位で灌水できる移動ベンチ用の灌液システムを設計、試作した。チャンネル内に一定間隔の仕切りを設け、チャンネル底面に空けた穴から給水紐を伝い灌水するシステムとした。一回の灌水量は、およそ30mlとなるように設計した。栽培の結果,本システムの基本的性能が確認され、移動式1段栽培システムに有望であると考えられた。
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Research Products
(3 results)