2009 Fiscal Year Annual Research Report
ペチュニアの市販品種の遺伝子に秘められた品種改良の歴史を読み解く
Project/Area Number |
21380022
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
安藤 敏夫 Chiba University, 園芸学研究科, 教授 (30026588)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
児玉 浩明 千葉大学, 園芸学研究科, 准教授 (70302536)
松原 紀嘉 千葉大学, 環境健康フィールド科学センター, 助教 (70512250)
立澤 文見 岩手大学, 農学部, 准教授 (30320576)
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Keywords | ペチュニア / アントシアニン合成系遺伝子 / 市販園芸品種 / 育種 |
Research Abstract |
ペチュニア市販園芸品種と野生種の比較により、品種に受け継がれている花色素合成系遺伝子の歴史を明らかにすることを目的として、本年度はHf1,Hf2,DFR,An2遺伝子の解析を行った。 Hf1について、品種の優性遺伝子は両親の遺伝子の組み換えによって生じたが、両親の遺伝子はどちらも品種には残っていない。この原因を調べるため、Hf1をもたないタバコに導入し、色素の合成量の違いを調べる予定であったが、組み換えには成功したものの、開花が少なく、色素合成量の差を明らかにするには至っていない。 Hf2については、品種の母親であるPetunia axillaris subsp.axillarisのHf2アレル(Hf2-α)の塩基配列が品種の劣性遺伝子に非常に近い。そこで、実際にHf2-αが劣性遺伝子であるのか、品種とのF_2を作成し、遺伝子型と表現型の相関を調べたところ、Hf2-αは実際には合成経路を触媒する能力はあったが、合成される色素の量が極端に少なくなることが判明した。つまり、発現抑制の原因としてこの遺伝子のアミノ酸置換によるタンパクの構造変化などではなく、Hf2-αに連鎖する未知の制御遺伝子である可能性が示唆された。 また、ある種の模様をもつ品種ではDFRの発現が抑制されているが、野生種と品種を比較してもDFRの構造には違いがなかった。しかし、制御遺伝子であるAn2を調べたところ、この模様の品種ではAn2に変異があり、この模様の原因遺伝子であると推察された。
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