2012 Fiscal Year Annual Research Report
合弁花の三次元形態の定量的評価とその多様性を形成する花弁細胞の成長パターンの解析
Project/Area Number |
21380025
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河鰭 実之 東京大学, 農学生命科学研究科, 准教授 (10234113)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | トルコギキョウ / エクスパンシン / 花冠 / 花弁成長 / 開花 |
Research Abstract |
これまでの研究の結果,花冠の立体的な形態は,花弁の成長が領域間で不均一であることと関係していることが明らかとなった.このことは,花弁成長に関連する遺伝子の発現が空間的に不均一に配置されていることを意味する.植物細胞の成長に関連する遺伝子として,細胞壁のキシログルカンポリマーの分解,再配置をするXTH(xyloglucan endotransglucosylase/hydrolase)やエクスパンシンが知られている.そこで,これら遺伝子の単離と発現解析を行った. 自家交配を繰り返した2系統のトルコギキョウについて,ゲノム配列のショットガンシークエンシングを行った.それぞれの系統について,40Gbの塩基配列を決定し,アセンブルを行ったところ総塩基長1.5Gbずつのscaffoldを得た.この配列データをも元に細胞成長関連遺伝子を検索し,特にエクスパンシンに着目して発現解析を行った.シロイヌナズナの36個のエクスパンシンのうち5種類が計8個のトルコギキョウscaffoldにヒットした.また,エクスパンシン特異的な縮重PCRプライマーを用いて増幅して得られたエクスパンシン5種類は,計10個のトルコギキョウscaffoldにヒットした.花弁での発現が高かった3種類のエクスパン(EXP1,3,5)について花冠形態の異なる品種で花弁内の部位別発現解析を行ったところ,もっとも発現の高いエクスパンシンが品種により異なるとともに,それぞれ品種ごとに固有の発現パターンを示した.ロート型の‘マイテレディ’は開花後半にEXP3の発現が著しく高まったのに対し,コップ型の‘バルカンイエロー’は,EXP5の発現が開花前半,後半いずれでも高く,特に開花後半には花弁基部側で発現が高まった.この発現パターンはコップ型で予想された花弁基部での発現促進と一致し,コップ型の形成にEXP5が関与する可能性を示した.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)