2009 Fiscal Year Annual Research Report
リン酸化を介したACC合成酵素の翻訳後制御によるエチレン生成調節機構の解明
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21380026
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
森 仁志 Nagoya University, 大学院・生命農学研究科, 教授 (20220014)
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Keywords | リン酸化 / 翻訳後制御 / エチレン / ホスファターゼ / ACC合成酵素 |
Research Abstract |
1)ACC合成酵素はエチレン生合成経路の律速段階を制御する酵素であり、エチレンの生成はACC合成酵素の酵素活性に依存している。これまでにACC合成酵素をリン酸化するprotein kinaseとしてcalcium dependent protein kinase(CDPK)を同定している。一方、他の研究グループにより、CDPKのリン酸化部位とは別の部位がmitogen-activated protein kinase(MAPK)によってリン酸化されることが示されている。Phos-Tag SDS-PAGE法により、生体内においてACC合成酵素が両方のprotein kinaseによってリン酸化されることを明らかにした。さらにそれぞれのprotein kinaseがACC合成酵素の安定性にどのように寄与するかを調べた。特異的阻害剤を用いた生化学的解析により、ACC合成酵素の安定性獲得には両方のprotein kinaseによるリン酸化が必要であることが明らかになった。 2)シロイヌナズナの野生型に比べ、rcn1という変異体は暗所で発芽させた芽ばえのエチレン生成量が多く、ACC合成酵素含量も多い。RCN1はprotein phosphatase 2AのサブユニットAlであり、PP2AはサブユニットA,B(調節サブユニット)、C(触媒サブユニット)から構成され、それぞれのサブユニットの組み合わせによって特異性が決まっている。そこで、野生型とrcn1からそれぞれPP2Aの特異的阻害剤マイクロシスチンをリガンドとしたアフィニティカラムを用いて、PP2Aを精製して、両精製画分のサブユニット構成を、質量分析計を用いて比較した結果。rcn1画分に含まれず、野生型画分に含まれるサブユニットを複数同定した。
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