2011 Fiscal Year Annual Research Report
MAMP認識に関わるシロイヌナズナ受容体様キナーゼの網羅的解析
Project/Area Number |
21380030
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
一瀬 勇規 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (50213004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲垣 善茂 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (50280764)
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Keywords | MAMP / PAMP / エリシター / PRR / 受容体 / シロイヌナズナ / harpin |
Research Abstract |
微生物に特徴的な分子に保存された一部の分子パターン(Microbe-Associated Molecular Patterns,MAMP)は、動植物に認識され、防御応答を誘導する。動物においてはToll-like ReceptorsファミリーがこれらMAMPの受容体として機能することが判明している。一方、植物においてはグルカンやキチンといった糖MAMPに対する受容体とフラジェリンや翻訳伸長因子のペプチドMAMPに対する数種の受容体しか同定されておらず、植物防御応答機構の解明にはその他多くのMAMPに対応する受容体の解明が不可欠である。これまでに同定された3つのペプチドMAMPに対する受容体は細胞外にロイシンリッチリピート(LRR)ドメインを有し、2つは細胞内にタンパク質リン酸化酵素(PK)ドメインを有している。本研究ではシロイヌナズナに存在する全ての受容体様キナーゼ遺伝子を対象に、まだ未同定のMAMP受容体を同定すること、さらにMAMPのシグナル伝達に必要な新規受容体様キナーゼの同定を目指した。具体的なMAMPとしてはPseudomonas syringaeのハーピンとタイプ4線毛ピリンを取り上げた。ハーピンについては大腸菌を用いて組換えタンパク質として精製し、LRR-PKドメインをコードする様々なエリシター応答性遺伝子のタグラインに対して感受性を解析した。しかしながら、明らかに非感受性を示した変異株は見出されなかった.タイプ4線毛はN-末端のアミノ酸配列が高く保存されており、ピリンの変異株をシロイヌナズナに接種すると、野生株の接種に比べ防御応答の誘導の程度が低かったため、ピリンがMAMPである可能性は高かったが、化学合成ペプチド、並びに組換えピリンはいずれも精製に至らず、Agrobacteriumを用いたピリンの一過的発現も有効な実験系とはならなかった。
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[Book] Genome-Enabled Analysis of Plant-Pathogen Interactions(Wolpert, T., Shiraishi, T., Collmer A., Glazebrook, J.and Akimitsu, K.eds.)2011
Author(s)
Ichinose, Y., Taguchi, F., Nguyen, L.C., Naito, K., Suzuki, T., Inagaki, Y., Toyoda, K., Shiraishi, T.
Total Pages
215-224
Publisher
APS Press (St.Paul, Minnesota, USA)