2009 Fiscal Year Annual Research Report
トマトモザイクウイルスのRNA複製複合体形成機構の解析
Project/Area Number |
21380033
|
Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
石川 雅之 National Institute of Agrobiological Sciences, 植物・微生物間相互作用研究ユニット, 上級研究員 (70192482)
|
Keywords | ウイルス / 植物 / 複製 |
Research Abstract |
真核生物を宿主とするプラス鎖RNAウイルスは、オルガネラ膜上に、ウイルスがコードする複製タンパク質および宿主タンパク質からなる複製複合体を形成し、その中で子孫RNAを複製する。プラス鎖RNAウイルスの一種であるトマトモザイクウイルス(ToMV)の複製には宿主因子TOM1(7回膜貫通型タンパク質)およびARL8(低分子量GTP結合タンパク質)が必要である。本年度は、複製複合体形成がどのような中間段階を経て形成されるかを解析する準備として、TOM1およびそのホモログであるTOM3を欠損したシロイヌナズナ、ARL8の3個のホモログを欠損したシロイヌナズナ、および野生型株シロイヌナズナから液体培養細胞を樹立した。平成22年度はこれらの細胞から調製した膜を用いて試験管内ToMV RNA複製を行い、複製複合体形成がどのような状態で停止するのかを解析する。また、本年度、ToMVの複製タンパク質のコード領域に同義置換を導入することにより、出芽酵母Saccharomyces cerevisiaeにおいて当該タンパク質を発現させる実験系を構築することができた。そして、出芽酵母において複製タンパク質とTOM1,ARL8を共発現させる実験から、予備的ながら、TOM1とARL8が、複製タンパク質のRNAキャッピング活性を上昇させるという結果を得た。平成22年度は、この実験系を用いてTOM1とARL8の複製複合体形成における役割をより詳細に解析する。
|