2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21380049
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
樋口 恭子 Tokyo University of Agriculture, 応用生物科学部, 准教授 (60339091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 直子 秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (90315599)
鈴井 伸郎 日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究員 (20391287)
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Keywords | ヨシ / Na / Cd / PETIS / グルカン / Na輸送体 / デンプン粒 |
Research Abstract |
(1)光合成産物の動態解析:Naストレス、Cdストレス処理を行ったヨシの上位葉に^<13>CO_2を投与し、PETISによって1次同化産物の移行パターンを解析した。対照区と比べてストレス区で移行パターンに大幅な違いは見られなかったが、Cdストレス区では茎・葉鞘により多く分配される傾向にあった。(2)新規αグルカンの解析:Cd処理ヨシの茎細胞汁液中で水溶性Cdを結合している物質は分子量10~50kDaのアミロペクチン様多糖でリン酸基およびカルボキシル基でCdを結合しており、立体構造の安定化にS-S結合が関与していることが分かった。上記(1)(2)の結果から、今後はCdストレス化の炭素一次同化産物のメタボローム解析を進めるとともにCd結合グルカンの生合成過程の解明を目指す。 (3)ヨシ茎基部Na転流機構の分子生物学的解析:HKT、CNGC、SOS1、AKT、CHXの発現パターンを調べたところ、茎基部でNa処理により発現の上昇もしくは抑制が見られたのはCNGCおよびCHXであった。またヨシ茎基部の形態観察により、根の維管束が合流・分岐し茎になる付近で導管に隣接する柔細胞の細胞壁に特異な構造が見られ、Na処理によりその細胞にデンプン粒が蓄積することが分かった。今後はその特異な構造が何であるのかを特定するため形態観察をさらに進めるとともに、その周辺の輸送体遺伝子発現パターンをマイクロダイセクションとRT-PCRにより解析する。
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Research Products
(2 results)