2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21380063
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
草野 友延 Tohoku University, 大学院・生命科学研究科, 教授 (40186383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 芳弘 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教 (20390891)
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Keywords | 植物 / ストレス / ポリアミン / 生体防御 / スペルミン |
Research Abstract |
植物の環境適応におけるポリアミンの役割を分子遺伝学的に明らかにしてきた。シロイヌナズナのスペルミン合成酵素遺伝子は、spermine synthse(SPMS)とacaulis5(ACL5)の二つと考えられてきたが、後者のACL5遺伝子はスペルミンの異性体サーモスペルミンを合成する酵素遺伝子であることが明らかになった事より、これら二つのポリアミンの高効率な分離・定量法の確立を行った(Naka et al. in press)。 シロイヌナズナに非病原力をもつキュウリモザイクウイルス(CMV)との組み合わせの実験系を用いて、宿主植物が抵抗性反応を起こしている際に発現が誘導される遺伝子群の網羅的な解析を、Super-SAGE法で行った。こうした遺伝子の大半がスペルミンを外部から与えた時にも誘導されること、その遺伝子群を誘導する能力はスペルミン特異的であり他のポリアミンでは起こらないこと、を示した。従って、シロイヌナズナにも著者らがタバコで提唱してきたスペルミンシグナル伝達系が存在することが、強く示唆された(Sagor et al. 2009 ; Mitsuya et al.2009)。このスペルミンシグナル系が成立するためには、スペルミンが分解されることによって生じる過酸化水素が重要な役割を果たすと考えられる。そこで、シロイヌナズナに存在する5種のポリアミン酸化酵素遺伝子(AtPAO1,AtPAO2,AtPAO3,AtPAO4,AtPAO5)について網羅的な解析を行った。これら5種のPAO遺伝子の組織的な発現部位の違い、成育に伴う時間的・空間的発現部位についても解析を行った。さらに、遺伝子産物の基質認識の特異性についても明らかにした(Takahashi et al.投稿中)。
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Research Products
(8 results)