2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21380063
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
草野 友延 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (40186383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 芳弘 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 准教授 (20390891)
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Keywords | 植物 / ストレス / ポリアミン / 生体防御 / スペルミン / ポリアミン酸化酵素 |
Research Abstract |
申請者が提唱している「スペルミン情報伝達経路」では,病原菌の攻撃を受けた植物宿主が当該病原菌に対し抵抗性を持ち,自己の細胞の一部を殺したり,防御遺伝子群を活性化させる場合に,ポリアミン合成系の終産物であるスペルミンがポリアミン酸化酵素(polyamine oxidase, PAOと略)により分解されて発生するH2O2が重要な役割を持つと考えている.この考察はPAOの阻害剤を用いた実験に依っている.より直接的証拠を示すために,シロイヌナズナの全PAO遺伝子5種をクローニングし,組換えPAO酵素の基質特異性等の特徴付けを行った.又これら5種のPAOの細胞内局在性を明らかにし,論文として報告した(Takahashi et al. 2010).また,PAOについては単子葉植物の代表的モデル植物であるイネの7種のクローニングを進めている.これまでに2つの異なる生育ステージでいずれも高発現していた3種のクローニングを終え,これらいずれもがパーオキシゾームに局在することを明らかにし,論文として報告した(Ono et al. in press). さらに,スペルミン情報伝達経路が起動するにはミトコンドリアの不活性化が必須である.種々の知見から動物細胞のアポトーシスの際にミトコンドリア外膜の主要タンパク質であるVoltage-dependent anion channel (VDAC)と内膜の主要タンパク質であるAdenine nucleotide transporter (ANT)とが複合体を形成することが重要であるとされている.こうした背景から,シロイヌナズナの5種のVDACの特徴づけを行った.その結果,VDAClが病原菌に対する防御反応に強く関わることを明らかにし,報告した(Tateda et al. in press).
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