2010 Fiscal Year Annual Research Report
超好熱菌由来サチライシンの成熟化機構の解明と利用法の開発
Project/Area Number |
21380065
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金谷 茂則 大阪大学, 工学研究科, 教授 (30273585)
|
Keywords | サチライシン / セリンプロテアーゼ / 超好熱菌 / 成熟化 / プロペプチド / プリオン / タンパク工学 |
Research Abstract |
(1) Tk-SPの構造形成機構と成熟化機構の解析:Tk-SPの成熟化機構を明らかにするために、活性が大きく低下した活性中心変異体Tk-S359Cやその前駆体(Pro-Tk-S359C、ProC-Tk-S359C)、さらには成熟体から切り離されたプロペプチド(ProNとProC)を構築し、それらの諸特性を解析した。その結果、ProNは細菌由来サチライシンやTk-サチライシンのプロペプチド同様成熟体の阻害剤として働くこと、最初にPrON切断され、ProC-Tk-S359Cと不活性な複合体を形成すること、Tk-SPではなく、Tk-SPにProCのつながったProC-Tk-SPが本来の成熟体であることを明らかにした。 (2) Tk-サチライシンのタンパク工学的機能改変:ランダム変異とカゼインプレートアッセイ法によるスクリーニングを組み合わせた進化工学的手法を用いることにより、成熟化速度の向上した変異体E61KおよびL69Pを取得することに成功した。いずれもプロペプチド領域に変異を有していた。また、基質結合部位の入口をひろげるような変異を導入することにより、タンパク質基質(アゾカゼイン)に対する活性が約2倍に向上した変異体P238Gを取得することに成功した。 (3)プロテアーゼの新たな利用法の開発:Tk-サチライシンが、プリオン病に感染したマウスの脳ホモジネート中の異常プリオンを分解することを明らかにした。また、分解条件を検討することにより、Tk-サチライシンは、3%SDS存在下、100℃の条件であれば5分程度の短時間で異常プリオンを分解できることを確認した。さらに、Tk-サチライシンは既存のプリオン分解酵素であるPrionzymeより非常に高いプリオン分解活性を有することを明らかにした。
|
Research Products
(10 results)
-
-
-
[Journal Article] Crystal structure of a subtilisin homologue, Tk-SP from Ther mococcus kodakaraensis : requirement of a C-terminal β-jelly roll domain for hyperstability.2010
Author(s)
Foophow, T., Tanaka, S., An gkawidjaja, C., Koga, Y., Takano, K., Kanaya, S.
-
Journal Title
J.Mol.Biol.
Volume: 400
Pages: 865-877
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-