2012 Fiscal Year Annual Research Report
Lambertella属によるマイコパラサイト現象の生物有機化学的機構解明
Project/Area Number |
21380069
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
橋本 勝 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (40212138)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 晃 弘前大学, 農学生命科学部, 准教授 (10332701)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | マイコパラサイト / Lambertella / Monilinia fructigena / lambertellol / 機構解明 |
Research Abstract |
リンゴ果実に感染したキンカクキンMonilinia fructigenaは、放置することで別のキンカクキンLambertellaに置き換わる(マイコパラサイト)現象が観察される。一方、vitroで観察した場合、両菌は互いに阻害することなく混じり合うが、しばらくするとパラサイトLambertellaのみが観察される。したがって、本現象を単純に抗生物質で説明することはできない。本研究課題では本現象の機構検討し以下の成果を得た。 パラサイトLambertellaは、まず、ホストにも無害なlambertellol類を生産するが、分泌する。これらは拡散性があり、ホストまで到達、その後分解して活性なlambertellinに変化する。lambertellol類は酸性条件下では比較的安定であるが中性付近では速やかに分解、lambertellinに変化する。ホスト不在時にはただちに分解され、またパラサイトは生じたlambertellinを自己で分解するため、これの濃度は低い状態で保たれ、ホストの接近は可能である。一方、ホストはクエン酸を大量に分泌し菌周辺は著しい酸性になる。したがって、ホストが接近したときにのみlambertellol類は拡散し、ホスト禁止周辺で分解、ホストを阻害する。これが競争阻害なしでホストを駆逐する機構であることを証明した。また、lambertellinは生産者自身にも毒性を示す。これは両菌が遺伝学的に近縁で、一方に特異な毒物質を生み出すことができなかったためと考えている。また、lambertellolはホスト接近時のみ検出されたが、当初、ホスト接近がLambertellolの生産ON/OFFを制御していると考えたが、恒常的に稼働していることを、lambertellin分解物を特定、これが通常時にも検出されつことから実証した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(14 results)
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[Journal Article] "Absolute Stereochemistry of Altersolanol A and Alterporriols"2012
Author(s)
K. Yamamoto, K. Yoon, K. Ueda, M. Hashimoto, J. R. Sparrow,S. Kanamaru, M. Honma, T. Murakami, T. Tsushima, S. Kudo, K. Tanaka, K. Nihei, T. Nehira, M. Hashimoto
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Journal Title
Chirality
Volume: 24
Pages: 9084-9090
DOI
Peer Reviewed
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