2009 Fiscal Year Annual Research Report
抗テトロドトキシン新規抗体を用いた毒生産生物スクリーニングと生合成経路の解明
Project/Area Number |
21380070
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山下 まり Tohoku University, 大学院・農学研究科, 教授 (50192430)
|
Keywords | 抗体 / フグ / テトロドトキシン / ビオチン |
Research Abstract |
テトロドトキシン(TTX)は、フグ中毒原因物質としてよく知られる。毒の細菌による生産が報告され、食物連鎖によりフグなど高次生物へ毒が蓄積すると考えられている。しかし、生合成および代謝経路は明らかではない。最近、プランクトン、あるいはそれに共生、付着する細菌によるテトロドトキシン類の生産が疑われた。本研究の目的は、新規テトロドトキシン抗体を調製し、それを用いてテトロドトキシン生産微小生物を探索することや抗体を食品衛生へも応用することを目的とした。 研究協力者の北里大学山森教授らより、無毒養殖フグ稚魚を毒化させた岩手県越喜来湾より採集したプランクトンを分与され、TTX類を抽出、活性炭で精製し、親水性相互作用LC/MS/MS(HILIC-MS/MS)(Anal.Biochem. 2006)で分析した。その結果、極微量のTTXが検出され、プランクトンあるいはそれに共生、付着する細菌がフグのTTXに関与する可能性が強まった。 TTXポリクロナール抗血清作製のため、これまでにない新たなハプテン調製を検討した結果、TTXから酸化反応で80%程度の収量で11-oxoTTXを調製でき、そのアルデヒド基と蛋白質(KLH)のリジン1級アミノ基に導入したヒドラジド基を反応させ、高い導入率でKLHとTTXを結合することができた。ウサギに免疫後、得られた抗血清は、TTX-BSA結合体を抗原としたELISAで抗体価が認められた。競合ELISAの結果TTXに対する特異性も認められた。 さらに、類似の反応を用いて、TTX-biotinラベル体を数種調製し、Na+チャネル阻害活性があることを確認し、さらにマウス神経芽細胞腫Neuro2AをTTX-biotin-avidin-FITC蛍光ラベル体で染色できる可能性が蛍光顕微鏡を用いて示された。
|
Research Products
(17 results)