2010 Fiscal Year Annual Research Report
分子内に複数の架橋構造を有する難合成ペプチド関連物質の大量合成法の確立
Project/Area Number |
21380072
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
千葉 一裕 東京農工大学, 大学院・連合農学研究科, 教授 (20227325)
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Keywords | ペプチド / 化学合成 / 生物活性物質 / 分子内架橋 / 化学修飾 / ジスルフィド結合 / 逆ミセル / 液相合成法 |
Research Abstract |
本研究は、従来技術では合成が非常に困難であった、分子内に複数の架橋構造を有するペプチド化合物について、液相逆ミセル反応場を用いた新たな原理に基づく合成法を導入することにより、数十段階に及ぶ縮合反応ならびに選択的架橋形成反応を実現し、有用ペプチドを高純度、高収率、簡易操作で得ることができる、新しい化学合成法を確立することを目的とする。 申請者がこれまでに見出した、ピロリジン誘導体によるチオール基の選択的保護法により、システイン残基チオール基を保護したペプチドを合成した。この方法は、予めチオール基に特性の異なる保護基を導入し、逐次ペプチド鎖を合成した後、チオール基の脱保護と同時に分子内ジスルフィド結合を形成するものである。また、チオールの保護基の一つとして導入したピロリジン誘導体は、過塩素酸リチウム/ニトロメタン中で穏やかに脱保護されるため、既存のピリジル基を有するジスルフィド型保護基との組合せで、異種分子間の選択的なジスルフィド結合形成を形成できる可能性が高いことを明らかにした。さらに、逆ミセル界面にタグに結合したフラグメントが配列し、伸長反応を完結させるための研究を行った。予め疎水性タグを結合させたペプチドの伸長反応を逆ミセル中で実施した。その結果、別途同様に合成したフラグメント同士を、さらに逆ミセル構造を形成させることにより縮合させ、目的とするペプチドフラグメントをそれぞれ合成するための実験を行い、高い効率で進行することを明らかにした。今後、本方法を最適化することによって実用せいの高い方法になるものと期待される。
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Research Products
(24 results)