2010 Fiscal Year Annual Research Report
植物における病原細菌認識の分子機構と認識情報伝達機構の解明
Project/Area Number |
21380073
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Research Institution | Nagahama Institute of Bio-Science and Technology |
Principal Investigator |
蔡 晃植 長浜バイオ大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (00263442)
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Keywords | 植物免疫 / エリシター / MAMP / タンパク質キナーゼ / 活性酸素 / タンパク質リン酸化 / 糖鎖 / 分子間相互作用 |
Research Abstract |
本研究では、イネにおける病原細菌認識の分子機構を明らかにすることを目的として、イネにおける鞭毛タンパク質フラジェリン分子の受容メカニズムとその受容シグナルの伝達機構について調べる。昨年までに、フラジェリン受容体候補遺伝子としてFliRK1(Flagellin-induced Receptor Kinase1)、FliRK2を同定したので、本年度はまずこの遺伝子欠損イネにそれぞれの遺伝子を発現させたところ、フラジェリンの認識能が相補された。次に、FliRK1、2の遺伝子欠損イネにフラジェリンを処理し、ルミノールによる活性酸素の測定を行ったところ、FliRK1,2の遺伝子挿入変異体はフラジェリンを認識しないことが明らかとなった。さらに、フラジェリンとFliRK1とFliRK2との直接相互作用を確認するため、フラジェリン抗体を用いた免疫沈降実験とBiaCoreを用いた実験を行ったところ、FliRK1とフラジェリンは直接相互作用するが、FliRK2とは相互作用しないことが示された。これらのことから、FliRK1はイネのフラジェリン受容体であることが明らかとなり、FliRK2は細胞内への認識シグナル伝達に関与する可能性が示唆された。また、このフラジェリン認識シグナルはOsCPK12によって制御されていることを明らかにした。さらに、このOsCPK12は活性酸素発生の中心的分子であるOsrbohAのN末端と相互作用することがBiFC法によって明らかになった。さらに、フラジェリンの糖鎖構造についてもNMRとMSを用いて解析したところ、ラムノースを中心とした糖鎖構造であることを初めて明らかにすることが出来た。
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Research Products
(20 results)
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[Journal Article] Characterization of receptor proteins using affinity cross-linking with biotinylated ligands.2010
Author(s)
Shinya, T., Osada, T., Desaki, Y., Hatamoto, M., Yamanaka, Y., Hirano, H., Takai, R., Che, F. S., Kaku, H., Shibuya, N.
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Journal Title
Plant Cell Physiol.
Volume: 51
Pages: 262-270
Peer Reviewed
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