2009 Fiscal Year Annual Research Report
過剰な炎症反応に由来する酸化ストレス制御機構解析と抗酸化食品因子による抑制
Project/Area Number |
21380080
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大澤 俊彦 Nagoya University, 大学院・生命農学研究科, 教授 (00115536)
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Keywords | 酸化ストレス / 脳内老化 / 好中球 / 脂質ヒドロペルオキシド / アラキドン酸 / ドコサヘキサエン酸 / 酸化修飾リン脂質 / モノクローナル抗体 |
Research Abstract |
生体防御反応で重要な役割を果たす好中球由来のミエロペルオキシダーゼ(MPO)が炎症反応の過剰反応でハロゲン化反応を引き起こし、生成したブロム化DNAとしての8-ヒドロキシデオキシグアノシン(8-OHdG)の化学的検出と8-OHdGを特異的に認識するモノクローナル抗体の作製に成功し、MPOノックアウトマウスを用いた免疫組織染色による検出及びその局在性の検討を行い、8-OHdGは、MPOの過剰発現に由来することを明らかにすることができた。 また、過剰な炎症反応は、脳内機能制御に重要な役割を果たすアラキドン酸(ARA)やドコサヘキサエン酸(DHA)に対して脂質過酸化反応を誘導し、その結果、生じた過酸化物によりリン脂質が酸化修飾を引き起こすことを明らかにした。既に、作製したDHAヒドロペルオキシド修飾リジンに特異的なモノクローナル抗体を用いた免疫染色により、脳内におけるtauタンパク質のプロパノイル化が亢進されることが明らかとなった。さらに、ヘキサノイル化反応はリン脂質に対しても起こることを明らかにし、ヘキサノイル化フォスファティジルエタノールアミン(HEPE)やヘキサノイル化フォスファティジルセリン(HEPS)の生成機構の解明を、LC/MS/MSを中心とする機器分析により、有機化学的な解明の検討を行うとともに、HEPEに特異的なモノクローナル抗体を作製することに成功した。これは、HEPEをリポゾームに組み込んだ新しいタイプのモノクローナル抗体で、今後、脳内老化評価への応用が期待できる。
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Research Products
(5 results)