2011 Fiscal Year Annual Research Report
中枢性および末梢性疲労発生機構の統合的解明と抗疲労・疲労回復機能を持つ食品の開発
Project/Area Number |
21380082
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井上 和生 京都大学, 農学研究科, 准教授 (80213148)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
都築 巧 京都大学, 農学研究科, 助教 (50283651)
|
Keywords | 疲労 / 脳内報酬系 / エネルギー代謝 |
Research Abstract |
1.行動する動機の強さの測定を利用した新たな疲労度定量法の開発(井上) 昨年度に引き続き脳内自己刺激を用いた疲労度の測定系の確立を試みた。トレッドミルによる走行負荷、およびコミュニケーションボックスによる精神的負荷を与えられたラットでは脳内自己刺激の閾値が上昇し、自己刺激を継続するためには高い周波数の電気刺激が必要であることが分かった。また低強度運動での疲労感に関与すると予測しているκiオピオイドを脳室内に投与すると同様に脳内自己刺激の閾値が上昇することが確認された。 2.末梢組織のエネルギーレベル低下が中枢性疲労を発生する機構の解明(井上) 運動の前後で脳脊髄液中で増減するタンパク質/ペプチドを二次元電気泳動で分離し、そのパターンから一部についてスポットを抽出後、LC-MS/MSにて同定を行った。増大したスポット6個はホスホグリセリン酸ムターゼ、クレアチンキナーゼなどエネルギー代謝に関係する酵素群、、減少したスポット2個はセロトランスフェリンと機能不明のrCG45963であり、中枢性疲労の発生に直接関与することが予測できるものはなかった。 3.中枢性疲労に対する抗疲労・疲労回復機能を有する食品スクリーニングの理論的基盤の構築 流水プールにおいて疲労困〓までマウスを遊泳させる負荷を毎日行い、疲労が蓄積するモデル構築を試みた。限界までの遊泳時間を疲労度の指標としたが、3~4日まで遊泳時間が減少し、疲労の蓄積が示唆された。しかしながらそれ以降はトレーニング効果の方が勝り、遊泳時間が延長して疲労が蓄積しているかどうか判別できなかった。このため1日1回の遊泳を2回に増やす、あるいは負荷の期間を延長することなどが必要と考えられた。一方、ホームケージでの自発行動量は運動負荷によって有意に低下することがわかったため、運動負荷とこれを組み合わせて疲労度を評価できる可能性が示された。
|
Research Products
(1 results)