2010 Fiscal Year Annual Research Report
タケ類における花成制御遺伝子群の単離と同定に基づく一斉開花現象の分子機構の解明
Project/Area Number |
21380089
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
小林 幹夫 宇都宮大学, 農学部, 教授 (80111392)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
夏秋 知英 宇都宮大学, 農学部, 教授 (10134264)
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Keywords | タケ類 / 一斉開花 / 花成促進遺伝子PmFT / プロトプラスト / タケモザイクウイルス / BaMV / 完全cDNAクローン / p35SIV(19)ベクター |
Research Abstract |
1 タケ類の葉からのプロトプラストの調整とGFPベクターの導入および発現確認 単離した花成促進遺伝子PmFTを未開花なタケ類のクローンに導入する準備として、モウハイチク、ミクラザサ、ダイサンチクおよび草本性タケ類の1種リサクネ・パウシフロラの4種のタケの葉からプロトプラストを調整する方法を開発し、論文に発表した。未展開葉の葉鞘に包まれた部分は無菌状態で柔らかいので、約4時間の3%マセロザイム-R10・2.5%メイセラーゼ・2%セルラーゼオノズカを含む酵素処理により、容易に一般的に実験に使用するのに十分な収量(2.0×10^6個/0.3g生葉)のプロトプラストが得られた。FDA染色によるプロトプラストの活性は約83%だった。このようにして調整したモウハイチクのプロトプラストに対して、カリフラワーモザイクウイルスの35Sプロモーターを組込んだGFPベクターおよびGFP::PmFTベクターをエレクトロポレーション法により導入し、18~36時間培養後、RT-PCR法によってそれぞれの発現を確認した。 2 タケモザイクウイルスBaMVのベクター化 花成促進遺伝子PmFTをタケの未開花クローンに導入し、クローンの隅々にまで行き渡らせるのに有効なベクターとして、BaMVのベクター化を企図した。全長6,364塩基からなる1本鎖RNAウイルスを鋳型に逆転写反応によりcDNAを得て、二重鎖cDNAクローンを増幅し、6個の断片に分割したものを順次、カリフラワーモザイクウイルスの35SプロモーターとNOSターミネーターを持ったp35SIV(19)ベクターに繋ぎ合わせ、完全長cDNAクローンを作製した。今後、クローニングサイトを付加しベクターへと改変後、PmFTを挿入のうえ、タバコおよびモウハイチクの未開花クローンへの接種実験により遺伝子の機能を確認する予定である。
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