2009 Fiscal Year Annual Research Report
Melaleuca cajuputiの湛水耐性機構の解明
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21380091
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小島 克己 The University of Tokyo, アジア生物資源環境研究センター, 教授 (80211895)
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Keywords | Melaleuca cajuputi / 低酸素 / エネルギー代謝 / 木質化 / 通気組織 / メタボローム / ミトコンドリア / スーパーコンプレックス |
Research Abstract |
Melaleuca cajuputiの未木質化苗と木質化苗を用意し、それぞれの苗に3週間の低酸素前処理もしくは空気通気前処理を施して、通気組織を形成させた苗と形成していない苗を作出する栽培系を確立した。未木質化苗、木質化苗とも低酸素前処理を施した苗は、低酸素本処理2日後のADH活性の上昇はみられなかったので、通気組織が形成され、本処理による酸素欠乏の度合いが緩和されていたと考えられる。以後、この栽培系を用いて代謝の網羅的解析を行っていく。最初に、根の酸性インベルターゼ活性を測定したところ、木質化苗で活性が高く、通気組織が形成された苗で低酸素本処理による活性低下が緩和される傾向があった。ミトコンドリアのスーパーコンプレックスを分離するために、単離したミトプラストを用いて膜酵素の可溶化に用いる界面活性剤について検討した。ジギトニン、Triton X-100、ドデシルマルトシド、deoxy-BIGCHAP、エスシンを用いて可溶化を試みたが、ジギトニン、deoxy-BIGCHAP、エスシンでは、電気泳動後のタンパク質のバンドが現れなかった。ドデシルマルトシドでは、1000kDa(推定複合体I)などのバンドが確認でき、4g/g proteinの濃度が可溶化に適していることが分かった。Triton X-100ではさらに1500kDa(推定複合体I+III_2;スーパーコンプレックス)や500kDa(推定複合体III_2;スーパーコンプレックス)などのバンドが確認でき、3g/g proteinの濃度が可溶化に適していることが分かった。既往の研究で用いられているジギトニンについては再度検討する必要があるが、スーパーコンプレックスの可溶化が可能となった。
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