2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21380092
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
丹下 健 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (20179922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
益守 眞也 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 講師 (50282702)
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Keywords | 通水抵抗 / 水ストレス / 土壌特性 / 樹高成長制限 / 大気湿度環境 / 葉の解剖学的形質 / 光合成特性 / 地形解析 |
Research Abstract |
東京大学千葉演習林の100年生前後のスギ高齢林10林分内の30箇所で樹高と立地環境との関係を調べ、高齢木の樹高は土壌の透水性の指標とは相関が認められず、土壌水分環境の地形指標と高い相関があることが明らかになった。樹高と年樹高成長量の異なるスギの光合成特性を調べ、年樹高成長量が小さいほど、日中の水ポテンシャルが低く、気孔コンダクタンスが小さく、光合成速度も低かった。葉の炭素の安定同位体比の測定結果から、年樹高成長量の小さいスギで炭素固定の場である葉緑体内のCO2濃度が低いと推定されたが、葉内CO2濃度に差がないことから、CO2の葉内拡散抵抗が大きい可能性を示唆された。年樹高成長量の小さいスギで当年葉の通水抵抗が大きい傾向にあることを明らかにした。木部の通水抵抗に関わる仮道管の有縁壁孔の解剖学的形質には樹高の異なるスギで違いがなく.、樹高が高くなることに伴う水ストレスの増大に対する解剖学的形質の適応は起きていないことを明らかにし、樹高が高く日中に水ポテンシャルがより低下するスギほどエンボリズムによる通水阻害が起きやすいことが示唆された。スギの葉への重水溶液の付着実験を行い、葉表面から水が吸収されることを明らかにした。葉内の水の重水濃度の変化から、比較的多量の葉面付着水が葉内に吸収されていると推定した。スギ3年生苗の鉢植えを用いて、夜間に葉に水滴が付着する影響を調べた。灌水を抑えることによって乾燥ストレスを与えたスギで気孔閉鎖が緩和される傾向があることを明らかにし、霧や結露などの大気湿度環境がスギの気孔反応に影響する可能性を示唆した。
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Research Products
(2 results)