2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21380092
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
丹下 健 東京大学, 大学院・農学生命化学研究科, 教授 (20179922)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
益守 眞也 東京大学, 大学院・農学生命化学研究科, 講師 (50282702)
|
Keywords | 通水抵抗 / 水ストレス / 土壌特性 / 樹高成長制限 / 大気湿度環境 / 葉の解剖学的形質 / 光合成特性 / 地形解析 |
Research Abstract |
東京大学千葉演習林の100年生前後のスギ高齢林10林分内の30箇所で樹高と立地環境との関係を調べ、調査地点を増やしても昨年度明らかになった100年生時の樹高と土壌水分環境の地形指標との高い相関が認められることを確認した。樹高と年樹高成長量の異なるスギの葉内CO2拡散抵抗を測定し、3年生苗木に比べ、樹高20m程度の成木の葉内CO2拡散抵抗が有意に大きいことを明らかにした。成木の葉内CO2拡散抵抗は、樹高が同程度であっても年樹高成長量によって異なり、年樹高成長量が小さい成木ほど大きい傾向が認めされた。来年度以降、再測定を行い現象の確認を行う。苗木と年樹高成長量の小さい成木の葉の解剖学的形質を比較し、柵状組織の細胞が成木で有意に小さいことを明らかにした。葉内CO2拡散抵抗と細胞の大きさとの相関については今後の課題である。年樹高成長量の小さいスギで当年葉の通水抵抗が大きい傾向にあることを明らかにした。年樹高成長量が小さい成木の葉に、夜間水滴を付着させる処理を1週間継続した後の水分生理状態を測定した結果、水滴付着処理を行うことによって日中の水ポテンシャルの低下が有意に緩和されることを明らかにした。昨年度、スギの葉への重水溶液の付着実験を行い、葉表面から水が吸収されることが明らかになっており、葉面から吸収された水がキャビテーションを起こした仮道管に再補充され通水抵抗が低下した可能性が示唆された。葉表面から吸収された水が仮道管まで移動するかどうかの確認が来年度の課題となった。
|
Research Products
(1 results)