2009 Fiscal Year Annual Research Report
人工細胞壁を用いたヘミセルロースの機能解明と機能性材料の創出
Project/Area Number |
21380104
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
浦木 康光 Hokkaido University, 大学院・農学研究院, 教授 (90193961)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉井 裕 北海道大学, 大学院・農学研究院, 准教授 (50281796)
幸田 圭一 北海道大学, 大学院・農学研究院, 助教 (80322840)
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Keywords | 人工細胞壁 / ヘミセルロース / アラビノガラクタン / 肝実質細胞 / 細胞アレイ / ハニカムパターン化セルロース |
Research Abstract |
本研究では、ヘミセルロースが吸着したハニカムパターン化セルロースを人工細胞壁の基本骨格と考え、この材料の物性を解明することで、細胞壁中のヘミセルロースの機能を解明すると共に、この材料の細胞培養基質としての有用性を明にすることを目的としている。そこで、本年度は、人工細胞壁創製において重要な検討課題であるヘミセルロースとセルロースの相互作用について、最初に検討した。この結果、主要な広葉樹ヘミセルロースであるキシランは、セルロースに強固に多量吸着することが明らかとなったが、カラマツ特有のヘミセルロースであるアラビノガラクタンは非常に弱い親和性しか示さないことが分った。さらに、引張試験より、ヘミセルロース吸着によりハニカムパターン化セルロースの力学強度は若干増加することも明らかとなった。 細胞培養基質として有用性を評価する予備試験として、アラビノガラクタンを吸着させたハニカムパターン化セルロースフィルム上での肝実質細胞の培養を試みた。アラビノガラクタンが吸着することで、フィルムへの接着肝細胞数は増加した。また、細胞の接着形態は、スフェロイド状のものが多かったが、20μmの孔径をもつハニカムフィルムでは、一つの細胞が球状に丸まり、ハニカムの孔に嵌まり込むものも観察された。この結果は、ハニカムパターン化フィルムがDNAマイクロチップのように細胞配列させた分析用アレイとして使用できる可能性を示唆している。
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Research Products
(4 results)