2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21380110
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高部 圭司 京都大学, 農学研究科, 教授 (70183449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉永 新 京都大学, 農学研究科, 助教 (60273489)
粟野 達也 京都大学, 農学研究科, 助教 (40324660)
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Keywords | リグニン前駆物質 / トランスポーター / 共発現解析 / T-DNA / 野生型 / 変異体 |
Research Abstract |
リグニン前駆物質を輸送するタンパク質を特定するために、共発現解析によって、シロイヌナズナのリグニン生合成に関与すると考えられるトランスポータ遺伝子候補を絞り込んだ。すなわち、シロイヌナズナにおけるCAD、コニフェリン合成酵素と共発現しているトランスポータ遺伝子を、発現データベース解析サイト(CSB.DB、Cop、ACDMT)を用いて調べた。さらにATTED-IIと、共発現解析データより32の候補遺伝子を絞り込んだ。候補遺伝子周辺にT-DNAが挿入された変異体の種子を選択、ABRCから購入した。続いて、種子よりシロイヌナズナ変異体を栽培、その組織構造とリグニン分布を観察した。 シロイヌナズナ野性型では、播種後5週目の花茎上端から3-4cmまでの部位は、原生道管のみが木化しており維管束間繊維は未発達であった。基部側では維管束間繊維が発達し、フロログルシン塩酸反応に強く反応したが、モイレ反応では基部近くでのみ弱い呈色が認められた。播種後6週目以降は花茎上部でも維管束間繊維が発達、モイレ反応に陽性であった。 リグニントランスポーター候補遺伝子付近にT-DNAが挿入されたシロイヌナズナ変異体を栽培し、挿入ホモが確認できたものに関して組織観察を行なった。ほとんどの変異体は野性型と同様の組織構造とリグニン呈色反応を示したが、一部において野性型とは異なるリグニン呈色反応を示す変異体が存在した。絞り込んだ遺伝子がリグニン前駆物質の輸送に関与している可能性が示された。
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Research Products
(6 results)