2009 Fiscal Year Annual Research Report
分子マーカーによるサケの系群識別と海洋生活史の究明
Project/Area Number |
21380115
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
阿部 周一 Hokkaido University, 大学院・水産科学研究院, 教授 (80125278)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 俊平 独立行政法人水産総合研究センター, さけますセンター, 研究員 (70425461)
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Keywords | サケ / DNAマーカー / SNP / 遺伝構造 / 系群識別 |
Research Abstract |
1.サケのミトコンドリア(mt)DNA調節領域およびマイクサテライト(ms)DNA5座のほか、57種類の一塩基多型(SNP)マーカーを開発した。mtDNAとmsDNAマーカーでは国内の集団は北海道、本州太平洋側、本州日本海側の3グループに分けられたが、SNPマーカーでは上記の本州集団2グループと北海道の集団がさらに5グループに細分された。この結果はサケ集団の遺伝構造分析におけるSNPマーカーの有用性を示唆している。 2.mtDNAとmsDNAマーカーにより調べた上記国内集団を含む100近くの環太平洋サケ集団は、日本、ロシア、北米のほか各地域内の地方集団グループに分けられることがわかった。また、これら3地域のほか、環日本海、環オホーツク海、北西アラスカ、アラスカ湾などより大きな集団グループにまとまることもわかった。これらの遺伝構造の成立には、距離による集団間の遺伝的交流の制限が寄与していることが推測された。SNPマーカーによっても、ほぼ同様な遺伝構造が推定された。この結果から、高次の集団構造の分析にはmtDNA、msDNA、そしてSNPマーカーはほぼ同程度の分析精度をもつことが示唆された。 3.環太平洋サケ集団の知見を基準データとして、夏季のベーリング海におけるサケの系群構成を調べたところ用いた3マーカーでほぼ同様の系群構成が示唆され、日本系は中部、ロシア系は西部、北米系は東部とノンランダムに分布することがわかった。ただ、ロシア系サケの系群識別精度が低く、基準データ整備のため、新規ロシア集団の収集が必須であると考えられた。
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Research Products
(18 results)
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[Journal Article] Preliminary records of otolith-marked chum salmon found in the Bering Sea and North Pacific Ocean in 2006 and 20072009
Author(s)
Sato, S., M.Takahashi, N.Watanabe, S.Kitatsuji, D.Takasaki, T.Chiba, S.Imai, Y.Goda, Y.Katayama, M.Kagaya, M.Fukuwaka, B.A.Agler, S.Urawa
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Journal Title
North Pacific Anadromonus Fish Commission Bulletin 5
Pages: 99-104
Peer Reviewed
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