2010 Fiscal Year Annual Research Report
魚類における生殖制御脳内ネットワークの機能的ゲノミクス解析
Project/Area Number |
21380117
|
Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
飯郷 雅之 宇都宮大学, 農学部, 准教授 (10232109)
|
Keywords | 季節繁殖 / 脳内ネットワーク / 機能的グノミクス解析 / 生殖 / 水産学的脳科学 / 光受容体 / KISSニューロン / GPR54 |
Research Abstract |
季節繁殖を行う温帯域の魚類と通年繁殖可能な熱帯の魚類の生殖制御システムはいったいどこが共通でどこが異なるのだろうか?また,季節繁殖を行う魚類のうち,長日繁殖型魚類と短日繁殖型魚類の生殖制御システムはいったいどこが共通でどこが異なるのだろうか?本研究では周年産卵型のゼブラフィッシュ,長日繁殖型(春産卵型)のメダカ,短日繁殖型(秋産卵型)のアユとサクラマスを実験対象とし,これらの魚種の生殖制御脳内ネットワークを比較しながら研究を進めている.本年度は昨年度に引き続き以下の点を検討した. 1.脳内で発現する遺伝子のカタログ化 昨年度は短日繁殖型のアユ脳を対象として,完全長cDNAを作成し,1920クローンの5'-EST解析を行った.その際同定された合計約20種の神経ペプチドをコードする遺伝子群,ホルモン受容体遺伝子群,ならびに転写因子遺伝子の部分塩基列からプライマーを作成し,cDNA全長をクローニングして塩基配列を決定した. 2.光周時計に関わる時計遺伝子群のcDNAクローニング メダカ,アユ,サクラマスを対象として光周時計に関わる時計遺伝子群(Period,Clock,BMAL1など)のcDNAクローニングを昨年度に引き続き進めた.発現リズムの検討も進めた. 3.DNAマイクロアレイ 長日条件下で飼育した魚と短日条件下で飼育したアユを対象として,DNAマイクロアレイを用いた網羅的遺伝子発現解析(トランスクリプトーム解析)を行うための試料を採取した. 4.Dio2,TSH,KISS1,GPR54のcDNAクローニング 季節繁殖制御の中枢遺伝子であるDio2,Dio2の制御因子であるTSH,生殖制御中枢因子であるkisspeptinをコードするKISS1,ならびにその受容体であるGPR54のcDNAクローニングを引き続き行った.
|