2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21380118
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
古谷 研 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30143548)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 誠一 北里大学, 海洋生命科学部, 准教授 (60224169)
安達 貴浩 鹿児島大学, 工学部, 准教授 (50325502)
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Keywords | 複合養殖 / 養殖環境 / 三陸地方 / 無給餌養殖 / ナマコ |
Research Abstract |
大槌湾の貝類養殖域下でセディメントトラップにより得たカキおよびホタテの糞粒試料に13Cおよび15Nで標識した珪藻Thalassiosira weissflogiiを加えて炭素および窒素の同化速度を求めた。その結果、炭素および窒素の同化速度は養殖貝類の間に有意差は無く(p>0.05)、乾重量あたりの炭素および窒素の平均同化速度は0.25±0.19mgCh^<-1>g^<-1>、0.O11±0.0098mgNh^<-1>g^<-1>であった。マナマコの炭素および窒素の同化速度は温度依存性を示し、現場水温である5~20℃では同化速度は温度とともに指数関数的に増加するものの、糞の乾重量あたりの炭素および窒素含量は水温の低下とともに減少した。これらの結果は、水温の上昇とともに餌料からの炭素および窒素の取り込み能は低下するが、摂餌速度が増加することによりマナマコ個体あたりの同化速度が増加することを示唆する。本課題の3年間で得られた結果を基にマナマコの成長モデルを作成して十分な餌料供給下での大槌湾での成長速度を計算したところ、10月~2月の水温低下期では、大槌湾での現場法によるマナマコの成長速度が良く再現されたが、3月~7月の水温上昇期の成長速度は過小評価となり、さらなる検討が必要である。物理-生態系3次元モデルを用いて大槌湾全体の四季のPOCフラックスを見積もった結果、湾全体のPOCフラックスは春期に最も高く冬期に最低となった。養殖域下部について、POCフラックスがすべてマナマコに摂餌されると仮定してマナマコの潜在的な最大養殖密度を見積もった結果、現場の平均生息密度よりも高い結果となり、大槌湾の貝類養殖筏下はマナマコにとって十分なPOCフラックスが供給されている環境であることが明らかになった。
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Research Products
(4 results)