2009 Fiscal Year Annual Research Report
餌料・輸送環境解析に基づくニホンウナギの回游生態の解明と資源管理方策の提言
Project/Area Number |
21380119
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木村 伸吾 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (90202043)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 貴士 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教 (50431804)
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Keywords | ニホンウナギ / 産卵回遊 / 北赤道海流 / 海洋環境 / 炭素窒素安定同位体比 / 数値シミュレーション / 塩分フロント / エルニーニョ |
Research Abstract |
本研究は、資源の減少が著しいニホンウナギの回遊生態を解明することを目的として、産卵域が位置する北赤道海流域での海洋観測とウナギ・レプトセファルス幼生の採集、および生息域が位置する日本を中心とする東アジア沿岸域での環境調査とシラスウナギ・ウナギ成魚の採集から実施するものである。 本年度は、学術研究船・白鳳丸を用いてニホンウナギの産卵海域周辺および卵・幼生が輸送される北赤道海流域で、物理データの取得、レプトセファルス幼生の採集、海水中の懸濁態有機物のろ過を実施した。また、日本でのシラスウナギのサンプリング調査を実施し、得られた試料は北赤道海流域で得られた試料と併せて炭素窒素安定同位体比分析に供した。また、海洋研究開発科学機構が開発した流動場データ(OFES)を用いて、レプトセファルス幼生の採集海域からその後の東アジアへの輸送過程を検討する数値シミュレーションを行い、大西洋に生息するヨーロッパウナギと比較した。その結果、ニホンウナギのレプトセファルス幼生は水深50m以浅の表層で懸濁態有機物を摂餌していること、また、同じ形態を有していても種によって摂餌する水深が異なっていること、成長とともに異なる懸濁態有機物を摂餌する可能性があることなどを明らかにした。さらに、大西洋での仔魚輸送期間は太平洋に比べ2倍程度長いが仔魚の経験水温は大きく低下することを定量的に明らかにし、耳石輪紋の形成速度をそのモデルに組み入れることによって生理生態的な側面からも合理的な仔魚輸送過程を初めて示した。
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Research Products
(5 results)