2012 Fiscal Year Annual Research Report
餌料・輸送環境解析に基づくニホンウナギの回遊生態の解明と資源管理方策の提言
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21380119
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木村 伸吾 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (90202043)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 貴士 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (50431804)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ニホンウナギ / 炭素窒素安定同位体比 / 生息環境 / タグ / 利根川水系 / 護岸 / 産卵回遊 / 摂餌 |
Research Abstract |
本研究は、資源の減少が著しいニホンウナギの回遊生態を解明することを目的として、産卵域が位置する北赤道海流域での海洋観測とウナギ・レプトセファルス幼生の採集、および生息域が位置する日本を中心とする東アジア沿岸域での環境調査とシラスウナギ・ウナギ成魚の採集から実施するものである。 本年度は、利根川水系本流と同水系印旛沼において、ウナギ成魚の採集を継続して行い、胃内容物分析から胃内容物出現率、胃充満度指数、胃内容物の多様度指数を求める一方、護岸と非護岸水域を含む調査水域で捕獲した本種未成魚に超音波発信機を取り付け放流することによって、その水平位置の推定を行った。 その結果、努力量当たりの捕獲数は護岸に比べ非護岸水域で高い値を示し、本種は非護岸水域に高密度で分布する傾向にあることが分かった。また、護岸水域では、非護岸水域で胃内容物の大部分を占めた陸上に生息する貧毛類が全く出現しなかったことから、護岸は水域での餌生物の多様性を低下させるだけでなく、陸から水域への餌生物の供給を遮断している可能性があることが示唆された。超音波発信機を用いた野外実験からは、移動時間帯は夜間に限定され摂餌もその時間帯に行われるとみられるが、行動範囲は河岸から河川中央に至る広い範囲であることが分かった。しかし、大部分の個体は護岸または非護岸のどちらかの水域に限定して分布する傾向が強く、両水域間の移動は極めて少なく、個体毎にどちらか一方の水域のみを利用している可能性があることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(11 results)