2009 Fiscal Year Annual Research Report
沿岸性鯨類スナメリの保全のための個体数推定法の改良と個体数変遷の評価
Project/Area Number |
21380120
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
白木原 國雄 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (90196618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤松 友成 独立行政法人水産総合研究センター, 水産工学研究所, 研究員 (00344333)
北門 利英 東京海洋大学, 海洋科学部, 助教 (40281000)
天野 雅男 長崎大学, 水産学部, 教授 (50270905)
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Keywords | 環境 / 海洋保全 / 鯨類 / スナメリ |
Research Abstract |
沿岸性鯨類スナメリは混獲など人間活動の影響を受けており,本種の保全のためには個体数のモニタリングが必要である.目視調査により個体数が推定されてきたが,ほとんどが,調査ライン上の発見確率100%の仮定の下,安全を見込んだ過小推定となっていた.発見確率が風力など種々の要因の影響を受けて変動することも考慮されていなかった.個体数推定法の改良が必要である. スナメリに適用可能な発見確率推定法を開発することが当該年度(初年度)の主目的であった. 1.定点調査 音響データロガーを用いた個体追跡と陸上定点からの目視調査の併用による個体の水中の移動追跡と海面浮上間隔を知るための方法を確定できた.長崎県大村湾でこの調査を2回行ったが,音響計測範囲内にスナメリが現れることが少なかったなどの理由により,個体の浮上確率評価のためのデータの収集は次年度に行うこととなった. 2.陸上定点からの独立目視調査 2名の観察者が連絡をとらずに同一海面を目視して,両者の二重発見や一方の見落としを調べるための方法を確定できた.凪の時,肉眼で観察できる範囲で浮上個体の発見確率を0.96と推定した. 3.セスナ機からの目視調査 前方に座った目視者が発見・追跡した個体や群れを後方に座った目視者が二重発見できるかに焦点をあてたセスナ機目視調査を行った.調査時に凪が続いたこともあって,全ての追跡群が二重発見された.この調査を通じて,大村湾北西部におけるスナメリの冬季の分布情報を得た.
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