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2009 Fiscal Year Annual Research Report

プロテオロドプシンをもつ海洋発光細菌の光生態学的研究

Research Project

Project/Area Number 21380123
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

木暮 一啓  東京大学, 大気海洋研究所, 教授 (10161895)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 濱崎 恒二  東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (80277871)
吉澤 晋  東京大学, 大気海洋研究所, 特任研究員 (00553108)
Keywordsプロテオロドプシン / 海洋細菌 / Bacteroidetes / エネルギー代謝 / 海洋生態系 / 遺伝子解析 / 系統解析
Research Abstract

プロテオロドプシンは2000年にメタゲノム解析を通じてその存在が初めて確認された光受容性のタンパクで、海洋表層の原核生物群集の半分程度に分布することが知られている。しかしこれまで、その機能は得られた遺伝子を大腸菌に入れて確認しただけであり、それが生細胞の中では実際にどの程度の大きさなのか、どのような環境要因がその機能発現を制御しているのか、などについては知見がなかった。その最大の理由は、プロテオロドプシンを保持する分離株が世界に10株程度しかないことによる。
本研究では、主にBacteroidetesに属する分離株について独自に開発したプライマーを用いてプロテオロドプシン遺伝子の有無を調べ、100株あまりの株にその遺伝子が存在することを明らかにしてきた。さらにそれらの保持株の系統的位置づけの解明と、ポンプ活性の実測を試みた。
その結果、
・Flavobacteriaに属する異なる系統群から8株を選び、pH測定用のチャンバーに菌体を入れ、光照射前後のチャンバー内pHを高精度で測定した。
・その結果、光照射直後からpHの顕著な減少が起こり、暗条件に移行するともとのpHに回復した。
・pHの減少は例えば古細菌のバクテリオロドプシンによるものと比較して顕著に大きいものであった。
・CCCPを添加してプロトン勾配を壊すと、光によるpH減少効果は見えなくなった。
これらの結果を総合し、8株全てに光依存性のプロトンポンプがあることを確認した。これはプロテオロドプシンの機能を細胞レベルで確認した最初の例であり、海洋におけるプロテオロドプシンの生態的役割を推定する上で、重要な知見と言える。

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Published: 2012-07-19  

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