2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21380125
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
萩原 篤志 Nagasaki University, 大学院・生産科学研究科, 教授 (50208419)
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Keywords | 餌料生物 / 仔魚飼育 / 摂餌選択性 / 行動 / 成長 / 生残 / 餌料系列 |
Research Abstract |
100L水槽内でワムシ類のB.rotundiformis(約150um)とP.similis(約80um)を餌料としたマハタの仔魚飼育を実施した。4日令の仔魚はB.rotundiformisよりP.similisに対して高い摂餌選択性(Chessonの摂餌選択指数は、各々0.3、0.7)を示し、成長に伴いB.rotundiformisへの選択性が上昇した。10日令でのマハタ仔魚の生残率は、P.similis単独給餌では2.7%、B.rotundiformis単独給餌では6.4%であったが、両者の併用給餌によって14.3%に達した。無給餌では7日令までに全ての仔魚が死亡した。B.rotundiformisとP.similisの併用給餌により、仔魚は最も良好な成長と生残を示した。観賞魚のアカハラヤッコでは、20~60%の仔魚(4~6日令)がP.similisを摂餌した。一方、他の小型動物プランクトン(B.rotundiformis、Keratellasp.cf.sinensis、paracyclopina nanaのノープリウス幼生)の給餌では、摂餌が確認された仔魚は0~20%にとどまった。日令5~6の仔魚では餌料種間で成長に差はみられなかったが、P.similisを給餌した場合の生残率(18.5~38.0%)は他の餌料の場合(0~11.5%)に比べて高くなった。ニホンウナギの仔魚の口径は520μmと大きいが、食道部が狭く、粘液細胞が分布しないため、固形の餌料が通過しにくい。そこで、現時点で唯一有効な餌料となっているアブラツノザメの卵を主成分としたペースト状の餌のほか、上記の小型動物プランクトンに対する摂餌を比較検討した。サメ卵ペーストとP.similisの給餌で各々26.7、20.0%だったのに対し、他の給餌では摂餌率(0.0~6.7%)が著しく低かった。無給餌ではウナギ仔魚は11日令で全て死亡したが、サメ卵ペーストとP.similisを給餌した場合、13日令まで、それぞれ62.8%、37.2%が生存した。
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Research Products
(15 results)