2012 Fiscal Year Annual Research Report
種苗生産における「水作り」の微生物生態学的な解析とマニュアル化
Project/Area Number |
21380127
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
江口 充 近畿大学, 農学部, 教授 (40176764)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 亮人 近畿大学, 農学部, 助教 (10548837)
家戸 敬太郎 近畿大学, 水産研究所, 准教授 (90330240)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | グリーンウォーター / 水作り / 種苗生産 / 善玉菌 / 微細藻類 / ロゼオバクター / ビブリオ / ワムシ |
Research Abstract |
種苗生産では微細藻類を飼育水に添加し、仔稚魚減耗の低減化を図る。これを海外ではGreen Waterと呼ぶ。このGreen Waterが種苗生産に効果的であることは経験的に知られているが、そのメカニズムを微生物生態学的側面から科学的に検証した研究は少ない。その解明とGreen Water利用の高度化に着目している点が本研究の特色である。 申請者は微細藻類(Nannochloropsis oculata、以下ナンノ)の培養液中に善玉菌(Roseobacterグループ)が多く存在し、微細藻類と善玉菌が協働して、悪玉菌(例えば病原性ビブリオ属細菌)の増殖を特異的に抑制し、時には死滅させることを明らかにしてきた。ただ、種苗生産用の飼育水中に存在する生物は、天然海水を使用しているため、天然生態系と同様に極めて多様である。それはウイルス、細菌群、微細藻類、仔稚魚の餌となる動物プランクトン(ワムシ等)、そして飼育水生態系の頂点に位置する仔稚魚である。微細藻類の効果を知るためには実験系を単純化する必要があり、平成23年度までは飼育水生態系へ登場する生物レベルを微細藻類までにしていた。 平成24年度は、更に高次の動物プランクトン(ワムシ)を実験系に登場させて研究を行った。 平成24年度の研究で特に明らかになったのは次の3点である:1)仔稚魚の餌生物であるワムシをナンノと市販の淡水クロレラ(淡クロ)でそれぞれ培養して比較すると、ワムシ飼育水に出現するビブリオ属細菌の数がナンノでは激減した(量的変化)、2)ナンノで培養したワムシの飼育水に出現する善玉菌(Roseobacterグループ)は、淡クロのそれに比べて多様であり、有意に出現するグループ数が多くなった、逆に3)淡クロで培養したワムシ飼育水に出現するビブリオ属細菌の種類数はナンノのそれよりも多くなった(質的変化)。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)