2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21380145
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
長束 勇 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (90379694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 将幸 島根大学, 生物資源科学部, 准教授 (50293965)
緒方 英彦 鳥取大学, 農学部, 准教授 (90304203)
佐藤 周之 高知大学, 教育研究部・自然科学系, 准教授 (90403873)
青山 咸康 石川県立大学, 生物資源環境学部, 教授 (20026561)
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Keywords | 接触媒質 / 摩耗 / 発泡ウレタン / 覆腔背面空洞 / スプリングライン / フレーム解析 / 充填工法 |
Research Abstract |
変状の進行予測のため,超音波法による診断手法について検討した。農業用水路トンネルのライニングコンクリートは流水により摩耗して表面に骨材が露出していることから,超音波伝播速度の測定値は超音波端子とコンクリートとの密着性を確保する必要がある。しかし,グリセリン,シリコンなど接触媒質の種類により測定値が異なることから,コンクリートの表面状態に応じた適切な接触媒質の選択が必要になることが明らかになった。 補修・補強工法の選定要件を検討するため,水路トンネルの変状などに関する情報を行政部局から収集することを目的としたアンケート様式を作成し,行政側担当との役割分担を調整した。しかし,3月11日に発生した東北関東大震災により東北・関東エリアの行政部局事情が急変したため,次年度初に改めてデータ回収を実施することとした。 新工法の開発については,充填材料の候補として選定した発泡ウレタン供試体(発泡密度30kg/m^3,40kg/m^3)の曲げと圧縮における応力-ひずみ関係を求めた。試験の結果,40kg/m^3の方が30kg/cm^3に比べ,強さにおいて1.6~2倍大きいこと,また,曲げ強さの方が圧縮強さ(最初の降伏点で定義)の2~3倍大きいという特色を有することを確認した。一方,7つに分割したエアーバッグの使用組み合わせを操作することで,覆工外面が受ける様々な載荷状況を再現できる装置を試作して実験を行ったところ,天端覆工背面の空洞の存在により,覆工は変形してスプリングライン付近にひび割れが発生し,覆工の耐荷力を低減させることがわかった。さらに,ひび割れが生じた供試体を用いて裏込めの擬似再現を行った結果,裏込め充填工法の有用性が示唆された。 安全性および耐久性の向上効果の評価については,背面空洞を有するトンネル覆工の応力状態を計算するために,設計現場での利用実績が豊富なフレーム解析に基づくシステムを開発した。このシステムは,引張応力が作用しひび割れが発生する領域の特定に加え,裏込め充填工法による引張応力と圧縮応力の低減効果の評価が可能であり,充填工法を実現場に適用するうえで非常に有効なものである。
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Research Products
(5 results)