2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21380147
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
嶋 栄吉 北里大学, 獣医学部, 教授 (40196457)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
眞家 永光 北里大学, 獣医学部, 講師 (00453514)
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Keywords | 水質汚濁 / 全窒素 / 全リン / 蛍光分析 / 長期モニタリング / L-Q式 / 懸濁物質 |
Research Abstract |
青森県内を流れる高瀬川水系における栄養塩類の流出特性と,懸濁物質の有機物組成と起源を調べるため、高瀬川水系に含まれる河川から12地点を選び、平成21年4月から平成23年3月にかけて毎月採水を行った。採水地点において流量を測定すると共に、試料中の全窒素、溶存態全窒素、全リン、溶存態全リン,溶存有機物炭素の各濃度をそれぞれ測定した。また、懸濁物質の有機物組成分析に用いる懸濁物質試料を平成21年度より継続して1年間にわたり収集するとともに,前年度に収集した懸濁物質中の腐植をアルカリ溶液で抽出し,その質を三次元蛍光スペクトルを用いて測定した。各河川における窒素やリンの負荷量には季節的な傾向は見られなかったが、各河川において流量とそれぞれの負荷量には相関がみられ,L-Q式(L=a・Q^n【L=負荷量(g/s)、Q=流量(m^3/s)、a,n=係数】)を用いて回帰された。本モデルを用いて、平成20年における主要流入河川からの小川原湖への全窒素および全リンの総負荷量を計算したところ,それぞれ867t,17.7tと算出された。さらに、全窒素について,各河川のL-Q式で算出された係数を目的変数に,各流域の土地利用状況や河川の流域特性を説明変数にして多重回帰分析を行った結果、係数aについては水田、畑地、住宅地、森林の各面積率および家畜排泄物の窒素比負荷量を、nについてはそれぞれの面積率と家畜比負荷量の2乗と主流路長を説明変数として回帰方程式の重相関係数(R)が、aは0.998、nは0.989でa,nがそれぞれ決定した。得られた結果は,高瀬川流域における土地利用の変化が河川への栄養塩類の流出に与える影響を予測するうえで役に立つと期待される。また,懸濁物質に含まれる有機物の蛍光組成には,季節的および地理的な変動がみられ,組成の変化より懸濁物質の起源を推察できる可能性が示唆された。
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Research Products
(5 results)