2011 Fiscal Year Annual Research Report
エタノール発酵廃液の農地施用が土壌環境に及ぼす影響評価に関する研究
Project/Area Number |
21380149
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
宮本 輝仁 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究所・農地基盤工学研究領域, 主任研究員 (40343983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 政広 独立行政法人森林総合研究所, 立地環境研究領域, 主任研究員 (50353686)
亀山 幸司 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究所・農地基盤工学研究境域, 主任研究員 (90414432)
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Keywords | 土壌環境 / 物質循環 / バイオエタノール / 農地還元 / バイオマス |
Research Abstract |
バイオエタノールの製造過程で排出されるエタノール発酵廃液の農地施用に伴う土壌環境に及ぼす影響を評価することを目的としている.昨年度に引き続き,土壌カラムを用いたエタノール発酵廃液の浸透実験を行った.散水強度を変えてエタノール発酵廃液の投与を行い,カラム内の各層の土壌水分ポテンシャルと排水量の経時変化を測定した.動水勾配と排出量からダルシー則により不飽和透水係数を求めた.実験終了時にはカラムを解体し,各断面で微生物の繁殖状況を確認した.その結果,地表面から20cm付近まで微生物の繁殖による間隙の閉塞が肉眼でも確認された.また,地表面下7.5cmまでの土層の不飽和透水係数は微生物の繁殖により低下し,土壌水分ポテンシャルが増加しても不飽和透水係数は低下したままであった.しかし,飽和透水係数の減少に比べると小さく,減少幅は1オーダーであった.また,昨年度に引き続き,エタノール発酵廃液に含まれる溶存有機物の移動過程に関する土壌カラムを用いた実験も行った.エタノール発酵廃液を農地施用した後,降雨強度の異なる降雨があった場合を想定した実験を行った.カラム下端からの溶存有機物の排出量は,降雨強度の違いに加え,土壌への吸脱着特性を反映したものとなることが確認された.更に,エタノール発酵廃液を添加した土壌の乾燥時の撥水性発現の実態を明らかにするために,島尻マージ土壌にエタノール発酵廃液を異なる希釈率で添加し,乾燥時の撥水性を測定した.希釈液を添加した試料で撥水性が発現したが,希釈液添加後,ガンマ線滅菌処理した試料では撥水性は生じなかった.これらの結果から,供試土壌のエタノール発酵廃液添加による撥水性の発現には,微生物が関与していることが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
エタノール発酵廃液の農地施用により土壌微生物の増殖が起こり,土壌中の水・溶質移動特性や土壌の撥水性に大きく影響することを示す結果が得られてきている.
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Strategy for Future Research Activity |
エタノール発酵廃液の農地施用により土壌微生物の増殖が起こり,土壌中の物質移動特性に大きく影響することが明らかになりつつある.不飽和土壌中の水・溶質移動特性に加え,ガス移動特性についての解明にも取り組むことにより,エタノール発酵廃液の農地施用が土壌環境に及ぼす影響のより総合的な評価が可能となる.
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Research Products
(5 results)