2011 Fiscal Year Annual Research Report
環境調節による高次機能性野菜の効率的生産に関する研究
Project/Area Number |
21380154
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
後藤 英司 千葉大学, 大学院・園芸学研究科, 教授 (00186884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
彦坂 晶子 千葉大学, 大学院・園芸学研究科, 准教授 (50345188)
石神 靖弘 千葉大学, 大学院・園芸学研究科, 助教 (50361415)
兼子 敬子 玉川大学, 学術研究所, 准教授 (50332599)
渡邊 博之 玉川大学, 農学部, 教授 (60365872)
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Keywords | 機能性成分 / 緑黄色野菜 / 薬草 / 光質 / 培養液 / 紫外線 |
Research Abstract |
光環境および気温が数種類の葉菜類・ハーブ野菜の光合成、生育、栄養成分、機能性成分に及ぼす影響を調査した。 ここでは、光強度【試験1】および気温【試験2】がホウレンソウの生育およびルテイン,β-カロテン濃度に及ぼす影響および両成分濃度の品種間差を調査した報告を記す。 【試験1】播種後30日間育成したホウレンソウ4品種を供試材料とした。光強度(PPF)を150,250,350の3水準設定し7日間の試験を行った。試験終了時に葉身の生体重および乾物重を測定した。また,葉身のルテインおよびβ-カロテン濃度をHPLCで定量した。全ての品種で生体重および乾物重は光強度が高いほど大となった。全ての品種でルテインおよびβ-カロテン濃度は光強度が高いほど大となる傾向がみられた。その理由として,光強度が高くなるにつれて光合成の補助色素であるカロテノイドの合成が促進されたことが考えられる。ルテイン濃度は'おかめ'で最大となり,β-カロテン濃度は'アクティブ'で最小となった。'アクティブ'では光強度が高いほど両成分の濃度比が有意に小となったが,他の品種では試験区間に有意差がなかった。 【試験2】播種後30日間育成したホウレンソウ(品種アクティブ)を供試材料とした。明期気温を10,15,20,25℃の4水準設定し10日間の試験を行った。試験終了時に葉身の生体重および乾物重を測定した。また,葉身のルテインおよびβ-カロテン濃度をHPLCで定量した。生体重は25℃および20℃で他の区より大となり,乾物重は20℃で最大となった。乾物率と生体重あたりのルテインおよびβ-カロテン濃度は気温が高いほど小となる傾向がみられた。乾物重あたりのルテイン濃度は気温が高いほど大となり,β-カロテン濃度は試験区間に有意差がなかった。したがって,気温が低くなるほど乾物率が増加し,生体重あたりの両成分濃度が高くなったと考えられる。両成分の濃度比は25℃で最大となった。
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