2009 Fiscal Year Annual Research Report
二次元分光吸光イメージ解析による収穫後緑色野菜の黄化速度予測に関する研究
Project/Area Number |
21380155
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
牧野 義雄 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (70376565)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川越 義則 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教 (80234053)
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Keywords | 緑色野菜 / 分光分析 / 非破壊検査 |
Research Abstract |
緑色野菜の外観品質および栄養価の低下の原因となる、収穫後における退色の速度を、二次元分光反射スペクトル解析によって非破壊かつ迅速に予測する手法を明らかにし、高品質な緑色野菜の消費者への供給を支援するシステムを開発することを目的とした。 本年度は初年度であることから、主に二次元分光反射スペクトル測定システムの構成と測定条件の検討を行った。光源に可視光領域の光を放射するキセノン光源および強い近赤外を放射するハロゲンランプの混合光源を選択し、スリット幅を80μmとすることで、幅広い波長範囲での強い反射光量を確保する工夫をした。分光器はプリズムと回折格子を併用したもの、光センサーは12ビットCCDカメラを選択した。SpectrumAnalyzer ver.1.8.6 (JFEテクノリサーチ)でスペクトルデータの取得と解析を行った。試料台、光源、分光器および光センサーは全て光学ベンチで固定し、位置関係を一定とすることで、測定データの再現性を向上する工夫をした。測定条件は、露光時間5ms、試料台(スキャン)速度0.41mm・s-1、波長範囲380~1,000nm、波長分解能5nmとして計測を行った。 ブロッコリーを試料として、上記のシステムと測定条件で二次元分光反射スペクトルを測定し、データ解析を行った。貯蔵中の目減りとともに近赤外領域における反射光量が減少したことから、近赤外分光反射スペクトルを測定することで、緑色野菜の質量あるいは水分を非破壊で推定できることが示唆された。さらに、可視光領域の反射スペクトルから色相角を求め、貯蔵中における経時変化を測定した。その結果、色相角は経時的に減少する傾向がみられた。色相角と緑色成分であるクロロフィル濃度には相関があることから、可視分光反射スペクトルを測定することで、緑色野菜の退色程度を非破壊で推定できることが示唆された。
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