2009 Fiscal Year Annual Research Report
アセトバクター属細菌を用いたサイレージの新しい品質マネジメント
Project/Area Number |
21380166
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
西野 直樹 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (50237715)
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Keywords | 畜産 / 飼料 / サイレージ / 酢酸菌 / 微生物 |
Research Abstract |
1. 小規模サイロを用いたA. pasteurianusの添加実験 A. pasteurianusをトウモロコシに添加し、パウチサイロに詰め込んで0.5および2ヶ月間貯蔵した。生菌数、発酵生成物および開封後の好気的安定性を調べてA. pasteurianusの有用性を明らかにするとともに、PCR-DGGEを行ってA. pasteurianusの生残性および他細菌との共生関係について検討した。サイレージは4回調製し、一部は8ヶ月間貯蔵して同様の調査を行った。 A. pasteurianusの添加効果は4回中2回認められた。酢酸含量は最大で約3倍となり、開封時の酵母数は102cfu g-1程度まで減少した。効果が認められない場合は酢酸含量の増加や酵母数の減少がみられず、開封後の好気的変敗も抑制されなかった。PCR-DGGEで細菌群集を調べたところ、変敗抑制効果が認められたサイレージでのみA. pasteurianusのDNAが確認できた。対照サイレージの細菌群集は維持されており、A. pasteurianusは他細菌を駆逐することなく、付加的に共生するものと考えられた。 2. 実規模サイロにおけるA. pasteurianusの検出 岡山県のコントラクタが調製したバンカーサイロからトウモロコシサイレージを採取した。サンプリングは3件の酪農家から行い、それぞれのバンカーサイロから8つのサンプルを採取して、PCR-DGGEによる細菌群集の調査を行った。乳酸、エタノールなどの発酵生成物量は、サイロ間およびサイロ内部で違いが認められた。一方、細菌群集は3つのバンカーサイロで似かよっており、すべてに共通する細菌として、多数の乳酸菌とともにA. pasteurianusが検出された。このサイレージは好気的安定性が高く、実規模サイレージでもA. pasteurianusは好気的安定性を高める可能性がある。
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