2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21380181
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
島田 章則 Tottori University, 農学部, 教授 (20216055)
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Keywords | ナノ粒子 / 空気血液関門 / 突破機序 / エンドサイトーシス / フラーレン / 浮遊粒子状物質 |
Research Abstract |
大気汚染物質の一種の浮遊粒子状物質(Suspended particulate matter、以下SPM)には、ディーゼル排気粒子、鉄やカドミウムなどの金属元素、黄砂などが含まれる。SPMのうちでも、特に100ナノメートル以下の超微細粒子(ナノ粒子)は、空気血液関門AirBlood-Barrierを突破し、血液循環系を介し、脳、免疫系、胎児を含めた生体組織全体へ移行することが示されている(ヒト、実験動物モデル)。しかし、その詳細(侵入機序、生体への影響、影響の発生機序)は不明なまま残されている。本研究の目的は、生体に曝露されたナノ粒子の体への影響(空気血液関門の突破機序、全身諸臓器への移行・臓器組織傷害、細胞内の挙動)を明らかにすることを目的とする。 マウスの気道にナノ粒子(フラーレン)を曝露し、ナノ粒子の局在、空気血液関門突破機序、組織傷害の有無、傷害の発生機序を光学顕微鏡および電子顕微鏡を用いて解析した。 この結果、以下の成果が得られた。 1. 曝露直後から肺胞壁をび慢性に通過する(拡散)。 2. 肺胞上皮細胞内の微小空胞内に粒子が認められ、エンドサイトーシスによる取り込みが示唆された(エンドサイトーシス)。 3. フラーレンは肺胞壁構成細胞に傷害および炎症性変化を引き起こさない。 4. 肺胞上皮細胞および肺胞マクロファージ内の核および細胞内小器官(ミトコンドリア)内に侵入する所見が見られた。
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Research Products
(1 results)