2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21380181
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
島田 章則 鳥取大学, 農学部, 教授 (20216055)
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Keywords | ナノ粒子 / 空気血液関門 / 突破機序 / エンドサイトーシス / カベオラ / 浮遊粒子状物質 |
Research Abstract |
生体に曝露されたナノ粒子の体への影響(空気血液関門の突破機序、全身諸臓器への移行・臓器組織傷害、細胞内の挙動)を明らかにすることを引き続き目的とした。本年度は特に、異なるサイズのナノ粒子の細胞内での挙動およびエンドサイトーシスにおけるカベオラをはじめとする諸タンパク質の関与に注目した。 1)ナノ粒子曝露マウスの呼吸器、全身諸臓器の解析する目的でマウスの気道に異なるサイズ(50nm,20nm)のコロイド状ゴールドを曝露し、粒子の局在、空気血液関門、循環後の生体組織侵入機序、組織傷害の有無、傷害の発生機序を解析した。その結果、粒子が肺胞壁マクロファージおよび少数の肺胞上皮細胞内に蓄積されること、細胞内のエンドソーム様小器官に局在することが確認された。また、粒子を含有しマクロファージが肺胞壁血管内に認められた。これは、肺胞壁に曝露された粒子がマクロファージを介して全身に移行することを示唆するものであると考えられた。また、肺胞壁における軽度から中等度の急性炎症が認められたが、他の臓器組織に傷害像は確認されなかった。これらの結果に曝露されたナノ粒子のサイズによる明らかな差は認められなかった。 2)粒子の取り込み(エンドサイトーシス)におけるカベオラ蛋白の関与の解析 粒子曝露個体の肺組織を用い、カベオラ蛋白に対する免疫組織化学(光学)を実施したところ、肺胞上皮細胞に陽性所見が認められ、カベオラを利用した細胞内への取り込みが関与することが示唆された。
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