2010 Fiscal Year Annual Research Report
下垂体前葉の分化とプロジェニター細胞における新規ホメオティック転写因子群の役割
Project/Area Number |
21380184
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
加藤 幸雄 明治大学, 農学部, 教授 (30114177)
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Keywords | 遺伝子 / 発現制御 / 内分泌学 / 生殖 / 細胞・組織 |
Research Abstract |
表記課題を達成するための平成22年度の期間で、下記のような実験を進めた。 1、PROP1およびPRX2の抗体を用いて生後のラット下垂体について免疫組織化学を行い、PROPI陽性細胞は胎仔期に引き続き、常に幹細胞マーカーであるSOX2が共存する事を確認した。また、PRX2陽性細胞は、Marginal Cell Layer (MCL)に多くが局在し、胎児期にその部分を占めていたPROP1細胞と交代していた。と同時に実質層にも存在していた。 2、PROP1はホルモン産生細胞には存在する事はなかった。そのため、下垂体ホルモン産生細胞の分化指標となる転写因子PIT1およびSF1とPROP1の共存を調べた。SF1とPROPIとの共存は確認出来なかったものの、PIT1との共存は確認された。 3、一方のPRX2は、一部のホルモン産生細胞に存在する像を確認したが、日にちが経つに従って、その共存はなくなった。 4、生後に発現を開始するカルシウム結合タンパク質S100の抗体により、非ホルモン産生細胞の状態を調べた。その結果。S100細胞の一部にPROP1が共存することを発見した。と同時にPRX2も同じ様にS100細胞に存在する事が確認された。 5、さらに、PROP1、PRX2、SOX2、S100抗体による多重染色を行ったところ、その共存関係を調べると9種類の非ホルモン産生細胞が確認された。 以上の結果は、我々が同定した下垂体のホメオティック因子が下垂体前葉のホルモン産生細胞の起源となる細胞・幹細胞に何らかの重要な機能を果たしている事を示すものである。また、これまで不明であった濾胞星状細胞を含めた非ホルモン産生細胞が多様な形質を持つことを明らかにしたものである。これら細胞をより詳細に解析することで、下垂体の発生・分化の機序の解明を順調に進める事が可能で、さらなる展開を期待している。
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[Journal Article] Gene expression of lymphocyte prolactin receptor was suppressed in lactating mothers.2010
Author(s)
Maeda H, Izumi S-I, Kato Y, Cai L-Y, Kato T, Suzuki T, Nakamura, E., Sugiyama T, Fuda T, Takahashi K.
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Journal Title
The Tokai Journal of Experimental and Clinical Medicine.
Volume: 32
Pages: 62-65
Peer Reviewed
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[Journal Article] Highly related LIM factors, LMO1, LMO3 and LMO4, play different roles in the regulation of pituitary glycoprotein hormone common α subunit gene.2010
Author(s)
Susa T, Ishikawa A, Cai LY, Kato T, Matsumoto K, Kitahara K, Kurokawa R, Ono T, Kato Y.
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Journal Title
Biosci Rep.
Volume: 30
Pages: 51-58
Peer Reviewed
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