2011 Fiscal Year Annual Research Report
鳥インフルエンザ制御を目指した新規ワクチン戦略基盤
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21380187
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀本 泰介 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (00222282)
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Keywords | 鳥インフルエンザ / ワクチン |
Research Abstract |
H5N1亜型を代表とする鳥インフルエンザウイルスに起因する新たなインフルエンザパンデミックの発生が危惧される。今後予想される抗ウイルス薬耐性ウイルスの出現と拡がりは、予防ワクチンの重要性を強調するものの、不活化ワクチンの有効性に対する不安や、生ワクチンの安全性、使用時期の制限から、鳥インフルエンザの制御を目指したより効果的で安全なワクチン戦略が早急に求められている。本研究では、新しい戦略として非増殖型半生ワクチンの構築を目的とする。このワクチンウイルスは細胞に感染し、防御免疫抗原を感染細胞上に発現するが、感染性ウイルス粒子は産生されない。したがって、安全性は極めて高く、一方では、タンパク質性アジュバント分子を同時に搭載・発現させることも可能であり、不活化ワクチンや生ワクチンを凌ぐ防御効果が期待できる。得られる成果は、インフルエンザワクチン戦略のブレークスルーに発展する可能性がある。 本年度は、昨年度作成したHA開裂欠損変異体の非増殖性半生ワクチンウイルスとしての効率をマウスモデルを用いて詳細に検討した。このHA開裂欠損変異ウイルスをマウスに経鼻接種したところ、IgAを含む局所抗体および血中抗体の産生のみならず細胞性免疫も誘導することが明らかとなり、野生株による攻撃実験において、対照の不活化ワクチンより高いワクチン効果が認められた。さらに、別の非増殖性半生ワクチンウイルスの作成を目指し、NA恒常発現MDCK細胞の樹立にも成功し、今後の研究に活用する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究はH5N1鳥インフルエンザの制御を目指した研究であるが、本年度に施行された家畜伝染病予防法の改正によるH5N1ウイルスの規制が影響し、H5N1ウイルス自体を用いた実験が困難になったため、ヒト由来株を用いて実験を実施した。しかしながら、得られた成果はそのまま鳥インフルエンザウイルスに応用できるため、研究全般の進展としてはおおむね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
家畜伝染病予防法の改正により、本研究室ではH5N1鳥インフルエンザウイルスを直接使用できないため、規制外のヒト由来研究室株、および他のHA亜型の鳥弱毒ウイルスを使用して実験を継続する。
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Research Products
(4 results)