2010 Fiscal Year Annual Research Report
犬および猫の肝胆道系疾患の鑑別と重症度評価を目的とした非侵襲的新規検査法の確立
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21380193
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大野 耕一 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (90294660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻本 元 東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (60163804)
藤野 泰人 東京大学, 農学生命科学研究科, 助教 (70401180)
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Keywords | 肝臓繊維化 / 慢性肝炎 / 破壊性胆管炎 / 微小胆管 / 胆嚢運動性 / 胆嚢粘液嚢腫 / 胆泥症 |
Research Abstract |
肝臓の纎維化マーカーに関する研究:犬の慢性肝炎の繊維化マーカーの検討として、ヒト、マウスで繊維化との関与が示唆されている9つの遺伝子(PDGFB, PDGFD, MMP2, TIMP1, THBS1, COL1A1, COL3A1, TGFB1, TGFB2)の発現量を定量PCRによって解析した。9つの遺伝子は組織学的な繊維化の程度と有意に相関(P<.01,r>.70)しており、腹水や黄疸を呈する予後不良群ではさらに発現量が増加していることが判明した(Kanemoto H et al.2010)。 慢性胆管炎時の微小胆管数に関する研究:慢性胆管炎ではグリソン鞘における微小胆管数の増加が見られることが多いが、ときとして胆管が消失する破壊性胆管炎が起こる。この疾患の経過と微小胆管数について長期的な観察を行った。その結果破壊性胆管炎で胆管消失している場合には、既存の治療に対する反応性に乏しいが、長期的な治療(肝細胞増殖因子含む)によって微小胆管数が増加することと、それに伴う臨床症状の改善が認められ、微小胆管の再構築が予後因子の一つとなることが示唆された(Ohsumi T et al. 2011) 胆嚢の運動性と胆嚢粘液嚢腫、胆嚢炎との関連性に関する研究:胆嚢の運動性について食前食後の胆嚢体積を比較することよる排出率で検討したところ、胆嚢粘液嚢腫では運動性が有意に低下していたが、ある程度液体貯留がある場合にはある程度収縮した。胆泥症は一般的には偶発所見と考えられているが、胆泥症の犬は対症に比較して、胆嚢体積が大きく、運動性が低下していることが示され、疾患との関連性が示唆された。(Tsukagoshi T et al. 2011)
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[Journal Article] J Vet Med Sci.2011
Author(s)
Osumi T, Ohno K, et al.
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Journal Title
A Case of Recovery from Canine Destructive Cholangitis in a Miniature Dachshund.
Volume: E-pub ahead of print
Peer Reviewed
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