2009 Fiscal Year Annual Research Report
熱帯林再生基盤としてのアカシア早生樹の大量増殖および不稔化技術の開発
Project/Area Number |
21380196
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
三位 正洋 千葉大学, 大学院・園芸学研究科, 教授 (30093074)
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Keywords | 林木 / バイオマス / 形質転換 / 大量増殖 / 組織培養 / 遺伝子組換え / 染色体倍加 / 熱帯林再生 |
Research Abstract |
1. 熱帯林木として重要なAcacla manglumおよびその近縁種であるA.aurlculifomisとの種間雑種の優良系統を用いて、茎頂組織からの苗の大量増殖条件を検討した。その結果、thidiazuronとオーキシン類を組み合わせた条件で培養することにより、いずれの系統においても、カルスを経由した植物体再生や、茎頂からの多芽体あるいは苗条原基様集塊を誘導することが可能となった。苗条原基様集塊は、液体培地で回転培養することにより、再分化能を維持したまま増殖が可能であり、植物ホルモンを含まない培地に移すことで、シュートの伸長がみられた。これらのシュートを個々に分離し、低濃度のオーキシンを含む培地に移すことで、容易に発根することが確認できた。以上により、アカシアの優良系統の苗生産をin vitroで効率よく行えることが明らかとなった。 2. A.mangiumの実生組織や、培養で得られたカルスや苗条原基集塊を対象に、Agrobacterium tumefaciensのEHA101(pIG121Hm)菌株を用いて形質転換の可能性を検討した。その結果、A.mangiumにおいて、胚軸組織切片を接種材料にした場合に、GUS遺伝子を導入したカルスが得られた。しかし、多芽体や苗条原基を対象にした場合には、まったく形質転換組織を得ることができなかった。また、形質転換カルスからの植物体再生には現在のところ成功していない。 3. in vitroで継代しているシュートや苗条原基集塊をコルヒチンおよびアミプロフォスメチルで処理し、倍加の可能性を検討した。その結果、30-60mg/lのアミプロブォスメチルを含む液体培地で72-120時間処理し、その後通常の培地で伸長した腋芽で、完全に倍加した4倍体のシュートを得ることができた。
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