2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21380198
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
坂 志朗 Kyoto University, エネルギー科学研究科, 教授 (50205697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮藤 久士 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教 (00293928)
河本 晴雄 京都大学, エネルギー科学研究科, 准教授 (80224864)
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Keywords | バイオリファイナリー / 超臨界流体技術 / バイオマス / バイオケミカルス / バイオ燃料 |
Research Abstract |
バイオマス資源は石油や天然ガス等と比較してかさ高く、輸送や貯蔵等の取り扱いには不便である。このため、林地残材や廃木材などの多くが未利用のまま廃棄されており、これらの有効利用が望まれる。そこで本研究では、超臨界流体のもつ特異性を活用して、バイオマス資源をフェノールなどの液体有機溶媒と超(亜)臨界状態で反応させることで、新規な有用化学物質や有用バイオ材料、さらにはバイオ燃料などを創製するバイオリファイナリー化技術の開発を試みた。すなわち、フェノールと木質バイオマス(ブナ)を種々の条件にて化学反応させたところ、350℃/4.2MPa/10分でほぼ100%が液化されることを見い出した。これによってかさ高く取り扱いにくい固体バイオマスを、取り扱いやすくて貯蔵しやすい、有用な液化物に変換することが可能となった。この液化物には、バイオ燃料、バイオポリマー、バイオ材料などへの変換が可能な有用化学物質が含まれており、バイオリファイナリー構築に向けて極めて重要な対象物となる。同様の検討を他のフェノール類やアルコール類についても検討し、同様に液化物が得られることを明らかにした。また、液体バイオマスである油脂類について、超臨界酢酸メチルや超臨界炭酸ジメチル処理することでバイオディーゼル(脂肪酸メチルエステル)や有用な化学物質(トリアセチン、グリセロールカーボネート及びシトラマル酸など)が得られ、バイオリファイナリー構築の一翼を担うことが可能となった。今後、この液化物を用いた新規のバイオマテリアルの創製について検討を行っていく予定である。
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Research Products
(22 results)