2009 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子情報を基盤とする生物農薬農薬評価システムの再構築
Project/Area Number |
21380199
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
土屋 健一 Kyushu University, 大学院・農学研究院, 教授 (40150510)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古屋 成人 九州大学, 大学院・農学研究院, 准教授 (10211533)
竹下 稔 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教 (00304767)
|
Keywords | 拮抗細菌 / 抗菌物質 / Pseudomonas fluorescens / 抗菌物質遺伝子 / Burkholderia cepacia / 病原性因子 / リスク評価 / 微生物農薬 |
Research Abstract |
・ 各種植物根圏からの細菌の探索・収集と保存 これまでに日本各地の農業環境、および有機資材等の施用圃場から、各種作物根圏あるいは土壌サンプルを収集した。開発済みのエライザ法と選択培地を併用した特異検出法を用いて、とくに蛍光性シュードモナス(Pseudomonas fluorescens)およびバークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)について効率的に分離を行った。それぞれ単集落分離により純化した前者200余菌株、後者150余菌株を、それぞれ-20~40℃で中長期保存した。 ・ シュードモナス属およびバークホルデリア属細菌の系統解析 申請者らの既報有望株であるP.fluorescens LRB3W1株を対照として、収集菌株について、ナス科植物青枯病菌を被験対象として抗菌物質産生能をプレートクロロホルム法により試験し、抗菌活性能についての系統解析を行った。またセパシア菌においては、主要遺伝子型(Genomovar)に属する複数系統について、熱処理菌体に対するウサギ抗血清(O抗体)の作製を行い、高力価の抗血清を得ることができ、それらの反応特異性について検討した結果、菌株間での型別が可能と思われた。今後、血清型による系統解析を行い、さらに遺伝子型との関連性についての解析を展開する予定である。 ・ 抗菌物質産生遺伝子の検索と有用菌株の特性評価 探索した菌株の中から、2,4-ジアセチルフロログルシノール(Phl)、ピロールニトリン(Prn)およびピオルテオリン(Plt)の主要抗菌物質関連遺伝子のすべて、あるいは1種類以上を保有する菌株を選抜するため、それぞれに特異的なプライマーを用いたPCRにより、これら抗菌物質産生能の検索を試み、これまでに複数のPrn関連遺伝子の存在を認めた。今後さらに、他種物質について遺伝子情報の蓄積を重ね、有望菌株の探索を図る予定である。
|