2011 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム安定性を制御するエピジェネティクス分子機構の同定と解析
Project/Area Number |
21380204
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
原田 昌彦 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (70218642)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 邦史 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (90211789)
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Keywords | アクチン関連タンパク質 / ゲノム安定性維持 / クロマチンリモデリング複合体 |
Research Abstract |
真核生物遺伝子のエピジェネティック制御において、細胞核・クロマチンの構造は、中心的な役割を果たしている。その一方で、このクロマチン構造は複製フォークの進行の妨げともなる。複製フォークの停止は、DNA二重鎖切断やトリプレットリピートDNA配列の伸長を引き起こし、これらは、それぞれ発がんやトリプレットリピート病(ハンチントン病、脆弱X症候群など)の大きな要因となる。本研究では、ゲノム安定性維持におけるINO80クロマチンリモデリング複合体の機能の解析を行った。太田博士と共同で、INO80複合体の構成因子であるIno80およびArp5について、クロマチン免疫沈降法とマイクロアレイチップを組み合わせた手法であるChIP-chip解析を行った。その結果、遺伝子の転写制御領域に加えて、DNA複製の開始点付近にINO80複合体が結合していることが示された。さらに、ヒト染色体の脆弱領域の配列やトリプレットリピート配列を挿入した酵母人工染色体(Yeast Artificial Chromosome; YAC)を用いて解析を行ったところ、INO80複合体の変異によって、この人工染色体の安定性が低下することが示された。この人工染色体の安定性低下は、デグロンシステムによってINO80を誘導的に分解した際にも観察された。これらの結果は、INO80クロマチンリモデリング複合体が、真核生物のゲノム安定性維持において、重要な役割を果たしていることを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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