2009 Fiscal Year Annual Research Report
核、葉緑体、ミトコンドリアへ移行するイネCPD光回復酵素の輸送機構とUVB抵抗性
Project/Area Number |
21380205
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
日出間 純 Tohoku University, 大学院・生命科学研究科, 准教授 (20250855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮沢 豊 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教 (00342858)
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Keywords | 光回復酵素 / ピリミジン二量体 / DNA修復 / シグナルペプチド / ミトコンドリアDNA修復 / タンパク質輸送 / イネ / 紫外線 |
Research Abstract |
本年度は以下の2つの課題について解析を行った。 【課題1】種々の植物・生物種におけるCPD光回復酵素の各オルガネラへの移行の実態に関する解析 本課題では、種々の植物(オオムギ、コムギ、トウモロコシ、アラビドプシス)や酵母、藍藻などの単細胞生物を材料に、CPD光回復酵素の各オルガネラへの移行の実態を、オルガネラ分画、生化学的手法により調査した。その結果、大変興味深いことに、イネ、トウモロコシにおいては全てのオルガネラでの局在が確認されたが、他のコムギ、オオムギ、アラビドプシスでは検出されなかった。すなわち、CPD光回復酵素の局在には植物種間差があることが分かり、オルガネラ局在の違いがUVB抵抗性に影響を及ぼしている可能性が示唆された。また、酵母ではミトコンドリアへの移行が確認された。 【課題2】イネCPD光回復酵素の核、葉緑体、ミトコンドリアへの移行に関わるシグナル配列の同定、ならびにオルガネラ輸送のメカニズムに関する解析 本年度の解析により、核、およびミトコンドリアへの移行に関わるシグナル配列は、核ではC末端付近の3アミノ酸、ミトコンドリアではC末端より内側の20アミノ酸領域を利用して移行していることが分かった。酵母においては、ミトコンドリアへの移行シグナルが報告されている。その結果と比較すると、イネにおいては、その配列は有しておらず、また酵母でのその配列はN末端付近にあるにも関わらず、イネではC末端側であることから、イネのミトコンドリアへの移行機構は、イネが独自に獲得した機構であることが推定された。
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